ラフール・マハジャンほか著『ファルージャ 2004年4月』

ラフール・マハジャンほか著『ファルージャ 2004年4月』を読みました。
 


ファルージャ 2004年4月

 
2004年4月の米軍によるファルージャ攻撃について、ファルージャ入りしたラフール・マハジャン、ジョー・ワイルディング、ダール・ジャマイル各氏によるレポートを翻訳した本です(対話1編にエイミー・グッドマンも参加しています)。
 
印象的なところを挙げましょう。P.33に救急車の写真が載っています。ダール・ジャマイルさんが撮ったもので、運転手を正確に狙った射撃痕がフロントガラスに残っていることがわかります。救急車はサイレン鳴らして、ランプを点滅させて走っていた訳ですから、事故や誤射ではなく確実に狙って撃った痕ということになります。
 
あと印象的なのは、土井敏邦著『米軍はイラクで何をしたのか―ファルージャと刑務所での証言から』に書かれていることとの類似です。ファルージャで戦っていたのは一般市民であったとこの本にも記されています。
 
「レジスタンス、つまり戦士(ムジャヒディーン)は、街の人々なのです。」
(P.35 ※)
 
また、この本には翻訳者の増岡賢さんによる「イラク侵略・占領と日本の動き」という、イラク戦争解説の優れた文章が載っています。短めですが、イラクの歴史や、国際法との関係、日本の関与について論じられています。必読でしょう。
 
継続的なフォローアップがされているというのもこの本の大きな特徴です。
私のブログでもたびたび紹介している「Falluja, April 2004 – the book」というブログで継続的な情報発信が行われています。
 
現代企画室。1,500円(税別)。
 


原文は「戦士」のルビとして「ムジャヒディーン」と書いてありますが、このBlogでその表現は出来ないので「戦士(ムジャヒディーン)」としました。


 

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