ショーペンハウアー『読書について』

ショーペンハウアー『読書について』を読みました。
 

 
読書の種類はいくつかあっていいと思うのです。エンタメとしての読書とか、情報を得るための読書とか。ただ、テクストと格闘するという意味での精読の機会が減っているなあと本書を読んで改めて気づいた次第。自分で考えるということを拒否っている自分がいるのかもしれません。かなり反省。
 
ショーペンハウアーについても、今後読むことにしよう。
 
今年4冊目。
※Kindle Unlimited

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岡本裕一朗『フランス現代思想史 – 構造主義からデリダ以後へ 』

岡本裕一朗『フランス現代思想史 – 構造主義からデリダ以後へ 』を読みました。
 

 
各思想家の解説は極めてわかりやすいです。デリダ以後はあまり論じられていなくて、その点が残念でした。
フランスの思想界において、ソルジェニーツィンの収容所群島のインパクトが大きかったんですね。収容所群島は読まなければならないと思いつつも未だに読めていない本。読まなくては。
 
今年80冊目。
※図書館で借りた本。

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馬渕浩二『貧困の倫理学』

馬渕浩二『貧困の倫理学』を読みました。
 

 
貧困に対する援助を倫理的に肯定する論者の論を取り上げて、批判面も含めて解説する本です。
ヌスバウムは全く知りませんでしたので、ケイパビリティアプローチの解説含め、非常に勉強になりました。
これをテキストに、とことん議論するのも面白いと思います。
オススメです。
 
今年76冊目。

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エラスムス『平和の訴え』

エラスムス『平和の訴え』を読みました。
 

 
キリスト教の立場から、平和の神の口を借りて訴えられる平和論です。
 
「人間が一緒に仲よく暮らすためには、人間という共通の呼び名だけで、その上何がなくとも充分でありましょうに。」(p.24)
 
は至言であります。
 
今年48冊目。
※図書館で借りた本。

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岡田憲治『デモクラシーは、仁義である』

岡田憲治『デモクラシーは、仁義である』を読みました。
 

 
Kindle版を買おうとしたのですが、帯が魅力的でして、新書版を買ったのでした。
 
「デモクラシーのために習慣を変えてみる」というところ、以下の4つが挙げられますが、「言葉」に目を向ける著者の姿勢は前々から変わらず一貫しています。それこそが政治を支えるからなのでしょう。
 
1.純粋合戦をやめる
2.言葉を豊かにするのにかかる費用はケチらない
3.空気ではなく言葉に縛られることにする
4.我々の政治は「よりまし選択」だと諦める
 
「純粋」になってしまうところは私もあるかも。気をつけて生きてみよう。
 
非常に参考になる本なのですが、最後に批判的なことを書きますと、「」を多用する文体なので読みにくい。引用なのか、専門用語なのか、作った話なのか、誰かの発言なのかがはっきりしないので、非常に分かりづらくなっています。あと、批判的なことを書くときにあえて名前を伏せているところ。オープンにして批判すればいいのではないでしょうか。何を守ろうとしているのか、理解に苦しみました。
 
今年41冊目。

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杉山光信『モラリストの政治参加―レイモン・アロンと現代フランス知識人』

杉山光信『モラリストの政治参加―レイモン・アロンと現代フランス知識人』を読みました。
 

 
副題の方が主題です。
レイモン・アロンと、サルトル他の現代フランス知識人との関係が描かれていて、非常に興味深い本であります。
 
今年35冊目。
※図書館で借りた本。

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吉本隆明『今に生きる親鸞』

吉本隆明『今に生きる親鸞』を読みました。
 

 
久々の再読。
私は吉本隆明はあまり好きではないのですが、本書は平易な文章で親鸞の思想が語られており、現在にまで通じるところを示そうとしていて、非常に良い本だと思います。
年取ったら親鸞の原著とかを、いろいろと調べたりしながらゆっくりと読んでみたいものだ。
 
今年23冊目。

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海老坂武『NHK 100分 de 名著 サルトル「実存主義とは何か」 』

海老坂武『NHK 100分 de 名著 サルトル「実存主義とは何か」』を読みました。
 

 
もー、さすがのNHKだよー。このご時世にサルトルですよ!
番組も見ました。
 
私が人生でいちばん影響を受けた本がサルトルの『実存主義とは何か』です。
その本に関する最適な入門書にして、サルトルの伝記とも読めるでしょう。同じくサルトルの『嘔吐』をかなり参照していますね。サルトルのいろいろなところが、すでに『嘔吐』で現れていた、というような論じ方がされていると思います。
 
オススメな一冊。
 
今年63冊目。

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川出良枝+谷口将紀 (編集)『政治学』

川出良枝+谷口将紀 (編集)『政治学』を読みました。
 

 
政治学のテキストブック。200ページほどのコンパクトな本ながら、国際政治や熟議民主主義に至るまで、いろいろなジャンルに渡って解説されていて、非常に参考になりました。
佐々木毅さんの弟子の皆さんが書いた本だからでしょうか、政治制度改革の評価が甘いのが難点。
とはいえかなりオススメです。
 
今年32冊目。

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重田園江『社会契約論』

重田園江『社会契約論』を読みました。
 

 
サブタイトルの通り、ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズについて、社会契約を軸に論じた本。
著者はフーコーの研究者であって社会契約論の専門家ではありません。テクストを前に悩みながら、読者と一緒に考えていく感じで書かれています。
 
大学の頃にここら辺を勉強していて、ロールズに端を発する政治思想や政治哲学の議論にもちょこっと触れました。いろいろな論者がいる中で、私にとってはロールズの正義の原理が一番しっくりときました。自分に関する情報が制約される「無知のヴェール」を被った状態で、他者と共存するルールを考える。そうすると「人は全員のために選択せざるをえない」(p.236より正義論の再引用)ので公正なルールが生まれるはずです。自由が保障される公正なルールのもとで、差異を訴え合いつつ、他者同士が共存していけばいいんじゃないかなあと思います。
 
おすすめ本。
 
あと、文献案内にあった桑瀬章二郎 編『ルソーを学ぶ人のために』は、我が家に積読として存在していたので、紹介されていた、吉岡知哉「制時制度と政治ー『社会経絡論をめぐって』ー」も合わせて読みました。相変わらず極めてロジカルで、優れて平易な文章を使って、わかりにくいルソーの社会契約論に対する一つの解釈を示しています。こちらもオススメです。久しぶりに吉岡知哉『ジャン=ジャック・ルソー論』を読み直そうかなあ。すごーく高い本だったけど、バイト代はたいて大学時代に買って、あまりの面白さに興奮して読んだっけなあ。懐かしい。
 
今年31冊目。

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