”官邸主導”について(2005.9.28北海道新聞朝刊4面)

”官邸主導”が強まる、とあったのですが、”官邸主導”について再確認しておきましょう。
 
”官邸主導”とは、経済分野では「小泉首相+経済財政諮問会議」が主導であるということです。ここで2つの点を確認しておきましょう。
 
まず、経済財政諮問会議に正統性はないということです。
経済財政諮問会議のメンバーは財界+学者です。いずれも選挙で選ばれたわけではありません。なんらの正統性はありません。民意はどこへ行ったのでしょう。
本来ならば、与党議員で構成されるべきなのです。
しかし、与党議員で構成すると族議員のたまり場になってしまい、うまい具合に進まなくなってしまうという問題が出てきてしまいます。正統性のない財界+学者メンバではなく、なおかつ族議員のたまり場になることも避ける道はただ一つ、政権交代があって交代後の政権のもとで政策が実行されればいいわけです(諮問機関が与党議員で構成されたとしても、政権交代があると利権から切り離されるので)。自民党政権のままで政策を実行しようとするからこのような事態になってしまうのです。
 
あと、確認しておくべきは中曽根内閣時の審議会政治に似ていると言うことでしょうか。財界や学者を集めてそこで政策作って云々というのは、中曽根時代からの小規模派閥のやり方であります。特段目新しさがあるわけではありません。あー、またそういうやり方をするわけねと冷めた視点で観察しておく必要があると思います。小泉さんは別に新しいことをやっているわけではないのです。改めて強調しておきます。
 
しかし、なんでこんなに財界が幅をきかせているのでしょうか。
(御用学者はいつの時代にもいるのであきらめましょう)
労組は何をやっているのか。また、公明党は与党に与していったい何をやっているのか(公明党は弱者重視のハズですが)。
また、なんでこのような政権を多くの人が支持しているのか。
疑問ばかりであります。
なので、批判していきます。

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2005.9.27北海道新聞朝刊より(年金の件追加)

おー、忘れてました。
確か、何面かに小泉首相が議員年金廃止を行うとかいう記事があったと思います(違ったら失礼)。
 
議員年金を廃止したところで、年金の問題が解決するわけではありません。
有権者ウケのいいことをするだけではダメです。ポピュリズムというのはこういうのを言うのでしょう。

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2005.9.27北海道新聞朝刊より

出張時にはその地元の新聞を読むようにしております。
朝行きつけの喫茶店に北海道新聞が置いてあるので、今クールは北海道新聞を読むことにしました。
 
さて、目立った記事は・・・
 
・丸井今井が今日再建計画を出すらしい(3面)。
→大通沿いに丸井今井という百貨店があります。そんなに経営が厳しいとは。札幌店は業績好調らしいのですが。こういうのは地元の新聞を読まないとわからないことであります。
 
・小泉首相の所信表明演説が半分近く郵政だったらしい(2面)
→こないだの日経か何かに載っていましたが、小泉首相は今後4年は衆院解散ないと言っています。郵政郵政言っておいて、そのうち何をしでかすかわかりません。チェックしておくべきでしょう。
 
ってところですかね。
また面白い記事があったら紹介します。

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石川真澄『戦後政治史 新版』

石川真澄『戦後政治史 新版』を読みました。
 
戦後政治史新版
 
『データ戦後政治史』→『戦後政治史』と続いてきての3冊目ですね。いずれも学生時代によく参考にさせていただいた本であります。
戦後政治の流れをコンパクトにまとめた良書です。残念ながら最近お亡くなりになられたのですが、山口二郎さんが追記しているので、小泉政権までしっかりと書かれています。
 
それにしても、高畠通敏さんや石川真澄さんといった優れた政治研究者がここのところ連続で世を去っております。彼らがいたら今回の選挙をどのように分析したことでありましょう。ま、それは後代に託されているわけですが。

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前原民主党について

本日の日経新聞朝刊2面に民主党代表の前原氏の発言が載っています。
もし、自民党に対抗して政権を取りたいのなら、今すぐ民主党は前原氏を党首から下ろすべきです。
 
”政策の違いがわかりにくい”というのが民主党によく向けられる批判であります。ところが、就任早々「憲法に与野党はない」とのこと。対立点を作る気は無いようです。
ということで、前原さんは自民党に行って、小泉氏や安倍氏と仲良く憲法を変える運動をすればいいと思います。対抗政党たる民主党にいる意味ないでしょう。
 
ところで、脱・労組を挙げているようなのですが、労組はとっとと民主党支持をやめるべきだと思います。
前原氏によると「ぎくしゃくしているのは官公労との関係」で「民間労組とは大きな問題はない」とのことなのですが、私の所属する民間労組を考えると、憲法に対する考え方を巡って問題になります。しかし「労組が反対するから考え方を下ろすことは、私が代表である限り、絶対にない」ということです。ということで、労組は前原民主党支持をやめるべき。政界再編を主導して新たな”労働党”政党を作ればいい。社民党と、民主党の一部と、自民党の一部を取り込めば、しかるべき大きさになるでしょう。また、そうした方が経済政策等も含めて争点が明確になるでしょうから、政治もわかりやすくなる。有権者も政権選択が容易になると思います。
 
そもそも、日本経団連のような経営者団体、そして創価学会のような宗教団体、これらの動きはよく目立つのですが、労組の動きが目立っていない気がします。今こそ、政界再編を起こすぐらいの動きをしてほしいところであります。強く期待します。

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中曽根氏らの賛成と参院の形骸化(2005.9.14 毎日新聞朝刊1面)

参院で郵政法案に反対した中曽根弘文氏ら11人が賛成するらしい。
 
これは全くもっておかしい話です。
まず、まだ法案が来ておらず、議論が行われていないのにその前から賛成を表明するというのがおかしい。参議院議員なのに「衆院選での国民の明確な意思を重く受け止める」というのもおかしい。おかしいことだらけであります。
 
参院議員自身が参院の形骸化を進めてしまった形になります。それでいいのでしょうか。

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女性の社会進出と出生率の関係(2005.9.14 毎日新聞朝刊1面)

女性の社会進出と出生率の関係が2005.9.14 毎日新聞朝刊1面に載っていました。
国際的に、女性の社会進出が進んだ国ほど、出生率が高い傾向にあるとのこと。
 
しかし、日本は社会進出が同レベルの国と比較して、出生率が低いらしいのです。環境整備の遅れがその背景にあるそうです。とっとと整備を進めるべきですな。

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服部孝章「投票後の行動こそ伝えよ」(2005.9.13 毎日新聞朝刊21面)

新聞発行当時、発熱してブログへのエントリができなかったのですが、2005.9.13 毎日新聞朝刊21面に服部孝章さんによる「投票後の行動こそ伝えよ」という文章が載っています。
 
マスメディアが「劇場政治」を煽り、自民党の広報機関化している状況を批判し、マスメディアはその反省の上に立って、今後議員らの”投票後の行動”をこそ報道し「この夏に興奮してしまった責任の後始末をつけるべき」と論じています。
 
その通りだと思いますので、ここに紹介しておきます(ちょっと遅れてしまいましたが)。

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原田武夫『劇場政治を超えて』

原田武夫『劇場政治を超えて』を読みました。
 
劇場政治を超えて
 
読まなくていい本です。
ただ、カール・シュミットに注目しているところはいいと思います。
 
私は、カール・シュミットの『現代議会主義の精神史的地位』が現在読み直す価値ある本と考え、半分ぐらい読み進めています。原田武夫『劇場政治を超えて』には、この本に関する記述がありません。それも疑問に思いました。

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山口二郎『戦後政治の崩壊』

山口二郎『戦後政治の崩壊』を読みました。
 

 
読書は時代に抗して行う行為だと考えています。
あの、フランス市民並びにフランス語に携わる人々をコケにした石原慎太郎さんの発言に抗し、フランス文学を連続で読んできましたが、それは宮島喬『ヨーロッパ市民の誕生』でEU諸国の言語を巡る状況を確認したところでいったん休憩。
続いて、韓流ブームと反韓感情の狭間で韓国を学ぼうと本を集めていたのですが、衆院選を見て若干の方向転換しました。韓国と日本政治、この2つのテーマについて平行で読んでいくことにします。
 
本書は山口二郎さんの現代政治についての本。
内容については、今後よく参照することになるでしょうから割愛しますが、名著であります。オススメです。

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