池田鮎美『性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。』

池田鮎美『性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。』を読みました。

ショックだったのは、著者が私より若い方だということです。
こんなひどい状況がいまだにあるとは・・・。泣きながら読みました。
一読を強くお勧めします。

「治療されるべきは被害者ではなく社会」(裏表紙より)

今年32冊目。
※図書館で借りた本。

吉川祐介『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』

吉川祐介『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』を読みました。

郊外の分譲地に関するレポート。歴史と現状と将来に向けての活用への展望が論じられています。
土地や住宅を手入れしていくのにあまり興味ないので、手を出すことはないかもしれませんが、非常に興味深く読みました。
いま自分が千葉県に住んでいるというのもあります。

今年10冊目。
※図書館で借りた本。

鈴木涼美『「AV女優」の社会学』

鈴木涼美『「AV女優」の社会学』を読みました。

AV業界のメカニズムの中で、AV女優はその動機等を自ら語ることを通じてAV女優になっていく。語りに注目してAV女優の成立を描き出した本で、非常に興味深く読みました。
他方で、インタビューした人の数が限定的に見えました(そうでなかったらすいません)。AV女優の姿を一般化できているのかどうか、少し疑問に残りました。

今年40冊目。
※図書館で借りた本。

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』を読みました。

英国ブライトンの中学生の生活から現代を切り取る本の続編です。
主人公?の息子さんが思春期を迎えたのを感じさせるような話で終わります。
書けなかった話を小説にしたという『両手にトカレフ』も読んでみよう。

今年32冊目。
※図書館で借りた本

上間陽子『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』

上間陽子『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』を読みました。

沖縄のキャバクラで、あるいは援助交際をしながら生活をしていた若い女性たちの記録です。
生きていると蛸壺化してしまって、他の世界のことはわからなくなります。そして自分のことのみを軸にして考えたり行動してしまいます。
何が起きているのか、学ぶための一冊。

今年31冊目。
※図書館で借りた本

橘玲『無理ゲー社会』

橘玲『無理ゲー社会』を読みました。

複数テーマを論じているのですが、うーん、ちょっとついていけずでした。

今年13冊目。
※図書館で借りた本。

河合雅司『未来のドリル』

河合雅司『未来のドリル』を読みました。

解決策として「切り札」が最後に書いてあるのですが、かなりドラスティック。
でも、こう言わないと、若い人の声が代表されないんだなあとも思いました。
でもほんと、我々年寄は損してでも若者に資源を割り当てて、活躍してもらうべきですよね。シルバーデモクラシーって何なんですかね。

今年45冊目。
※図書館で借りた本

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読みました。

地元の図書館で大人気の本で予約してだいぶ時間がたって、やっと借りることができました!
英国ブライトンの中学生の生活から現代を切り取る本。面白すぎてあっという間に読み終えました。

仕事に追われているとタコツボになります。同じ階級・文化の人との付き合いになってしまうのです。
こういうエッセイで多様性と分断の可能性に触れ、日々の生活を考え直すきっかけを得るのは、タコツボにいる私にとって極めて重要なことだなあと思いました。

今年34冊目。
※図書館で借りた本。

パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』

パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』を読みました。

コロナ禍のエッセイ集。
あとがきの「僕は忘れたくない」の下りは詩のようです。みんなどういう行動を取ったのか、その評価は近い未来のためにしないといけないこと。

今年90冊目。
※図書館で借りた本。

マルクス・ガブリエル , マイケル・ハート他『未来への大分岐』

マルクス・ガブリエル , マイケル・ハート他『未来への大分岐』を読みました。

マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソンと齋藤幸平との対談集です。対談集は読みにくいイメージがありますが、本書は非常に読みやすいです。それぞれの方々の著作を知らない私も特に引っかかるところなく読み進めることができました。内容は非常に読みがいがあります。

マルクス・ガブリエルの倫理の考え方が特に印象的でした。前に日本でサンデルが流行ったときに私は違和感があったのです。議論は重要ですが、議論しあっておしまいみたいな形では何も生まれないからです。かたや、マルクス・ガブリエルは言います。「私達は倫理のための普遍的原則を手にしています」(p.211)と。それはロールズの無知のベールに近い考え方で、「少しの間自分自身であることは忘れ、自分を抽象化して、他人の視点から見てください。その選択に賛成できますか?他人の視点から考えて、賛成する理由を見つけられないなら、それは倫理的ではありません。」(p.211)というものです。このように考えていけば、普遍的な倫理はあると私も思います。

あと、数カ所でハラリの『ホモ・デウス』が取り上げられていました。否定的な文脈だったのですが、ハラリは『ホモ・デウス』の最後を疑問形で終わらせているので、『ホモ・デウス』になる!とか目指せ!とは言っていないと思います。そこのところは違和感がありました。

今のままで世界はやばいよなあ、と思っている人には大いなるヒントになると思います。オススメ。

今年30冊目。