藤原保信『自由主義の再検討』

 藤原保信『自由主義の再検討』を読みました。
 
 
 
 久々の再読であります。サンデルを読んだので、政治哲学の復習として読みました。
 
 タイトルにあるように、自由主義について再検討を加え、コミュニタリアニズムに向けた展望を語ります。社会主義についてかなりのページが割かれていますが、もっとリベラリズムとコミュニタリアニズムにページを割いた方がよかったのではないかなあ。
 本書についてはサンデルについて書いた記事を参照ください。
 
 さて、最後に一点、議会制民主主義について、藤原保信は以下のように言っています。ニューヨークのウォール街占拠など、直接民主主義の動きが出てきており、それはそれで評価できるものでありますが、議会制民主主義の以下のメリットは忘れてはなりますまい。
 
 「人のコントロールを超えた専制政府は、権力の濫用という点で最悪の政治に転ずる危険性をもつ。この点において、政権交代が可能な複数の政党をもつ議会制民主主義のひとつのメリットは、最悪の政府の出現を回避するということにあるといえる。つまりここでもそれは、最高の政治を実現するものとしてよりも、最悪の政治を阻止するという点にその存在理由があるといえる。」
 
 今年3冊目。


 

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