夏目漱石『こころ』

 夏目漱石『こころ』を読みました。
 
 
 
 読んだあとに、姜尚中『夏目漱石『こころ』 2013年4月 (100分 de 名著)』も読みました。ちなみにKindle版です。NHKテレビテキストはKindle化されているんですね。やるな。残念ながらアンダーライン引いたりは出来ませんでしたが。Kindleのフォーマットに完全準拠していないのかなあ。
 
 
 
 姜尚中の読みは非常に参考になります。
 彼は、夏目漱石が「こころ」という、死に満ちた小説を書くことで伝えたかったのは、
 
 「「生」を称揚することにこそ目的があったのではないか」(P.101 Kindle版)
 
 と解釈します。
 なるほどそのとおりだとは思うのですが、主要登場人物の「先生」は乃木希典の「殉死」をきっかけに死を考えます。もし漱石が生を称揚するのであれば、漱石には、つまり「先生」には、明確に「殉死」を否定して欲しかった。「殉死」ってロマンチック過ぎて死を誘うのですよ。生を肯定するには「殉死」を否定するべきだと私は考えます。
 
 今年20,21冊目。


 

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