PowerShellでCSVを読み取るときの注意点は2つです。
(ハマってしまいました)
先に結論。
・PowerShellのCSV読み取りは、「Get-Content sample.csv | ConvertFrom-Csv」を用いる。
・CSVのヘッダー情報はCSVファイル1行目に書くか、ConvertFrom-Csvの-Headerで指定する。
以下、詳細です。
PowerShellでは、
Import-Csv sample.csv
というふうにImport-Csvコマンドレットを使うだけでCSVファイルを読み取ることができます。いや違った。読み取ることができるように見えます。
しかし、2つのトラップがあります。
1.CSVファイルのヘッダー
プログラミングをしていて、以下のようなエラーに悩まされました。
PS C:\Users\USER> Import-Csv sample.csv
Import-Csv : 引数 “name” の値が無効なため、引数を処理できません。引数 “name” の値を変更し、操作を実行し直してください。
よくわからないエラーですよね。調べたところ、Import-Csvは-Headerオプションをつけないと、CSVファイルの1行目をヘッダーとして理解するということがわかりました。sample.csvは以下のようなファイルだったのです。
1000,
2000,あいう
3000,
4000,えお
PowerShellは1行目をヘッダーとして理解しますが、ヌル値があります。ヌルはヘッダー情報としては無効となるので、エラーになってしまうのです。
Import-Csv sample.csv -Header “ID”,”Name”
というようにヘッダーを指定する。あるいは、
ID,Name
1000,
2000,あいう
3000,
4000,えお
というようにCSVファイル1行目にヘッダーを書けばOKです。
2.文字コード
CSVを表示させようとして、
Import-Csv sample.csv -Header “ID”,”Name”
として実行すると、文字化けします。
ID Name
– —-
1000
2000 ������
3000
4000 ����
Unicodeにしなければならないそうです。しかし、Import-Csvには-Encodingが無い(おいおい)。そこで、
Get-Content sample.csv > sample2.csv
とするとsample2.csvはUnicodeになるので、これを読み取って処理していたのですが、うーん微妙。
調べたところ、Get-Contentを使うべきらしい。
Get-Content sample.csv | ConvertFrom-Csv -Header “ID”,”Name”
ID Name
– —-
1000
2000 あいう
3000
4000 えお
ふむふむ。これでいいね。
おまけ。1のCSVファイルのヘッダーについてですが、ConvertFrom-Csvは動きが異なります。エラーにならず、ヌルがある列がデータとして認識されなくなります。
Get-Content sample.csv | ConvertFrom-Csv
1000
—-
2000
3000
4000
となります。1行目の「1000,」がヘッダーとして認識され、ヘッダーのうちの「1000」の列のみが読み込まれます。
わかりにくいなー。
PowerShellのわかりにくさは今に始まったことではないけど。
五十嵐貴之『Windows自動処理のためのWSHプログラミングガイド』
五十嵐貴之『Windows自動処理のためのWSHプログラミングガイド』を読みました。
サンプルが豊富。
何がいいって「共通モジュール」が掲載されていること。ダウンロードも出来ます。
「共有モジュール」を使えば、いろいろと簡単にスクリプティングできます。
さっそくフォルダバックアップと、Outlookメール送信と、いくつかのアプリを自動起動するスクリプトを作ってみました。会社で使ってみよう。
しかし、VBScriptなので、Excel VBAとの親和性も高い。Windowsのシェル環境は、今後はPowerShellが中心になるのでしょうが、PowerShellはいまいち分かりにくい。WSH(VBScript)でいいような気がします。.Netの機能を使いたい場合のみPowerShellかなあ。
今年66冊目。
Windows PowerShellでメール送信
Windows PowerShellでメール送信するスクリプトを書いてみました。
@ITの「[運用]Windows PowerShellコマンド&スクリプティング入門(後編)」を参考にしました。
.NET Frameworkのクラスを用いているのですが、そもそも私プログラマしていたのは10年以上前で、なおかつWindows系のプログラミングはほぼやったことがない。Googleで色々と調べたりしましたが、クラスライブラリの説明はMSDNにあります。ここをまず確認するべきでした。
以下、スクリプトです。
「★★★」のところには適切な値を入れてください。
# --------------------------------------------------
# 各種設定
# --------------------------------------------------
# メール情報。宛先は;で複数記載することが可能となる。
$smtp = “★★★” #SMTPサーバ(必須項目)
$targets = @(“★★★”,”★★★”) #送信先(必須項目・複数指定可能)
$from = “★★★” #送信元(必須項目)
$replyTo = “★★★” #ReplyTo先(オプション項目。一つだけ設定。NullでもOK)
$bcc = “★★★” #BCC先(オプション項目。一つだけ設定。NullでもOK)
# メールサブジェクトと本文。
$subject = “★★★”
# 本文はヒアドキュメントで記載。
$body = @”
★★★
★★★
★★★
“@
# --------------------------------------------------
# メール送信処理
# --------------------------------------------------
# New-Opjectコマンドレットで.NETクラスをインスタンス化。
$mail = New-Object Net.Mail.MailMessage
$mail.From = $from
$mail.ReplyTo = $replyTo
$mail.Subject = $subject
$mail.Body = $body
# エンコーディング。System.Text.Encodingの静的メンバにアクセスするため::を用いている。
$mail.SubjectEncoding = [Text.Encoding]::GetEncoding(“ISO-2022-JP”)
$mail.BodyEncoding = [Text.Encoding]::GetEncoding(“ISO-2022-JP”)
# To設定。複数設定可能。
foreach($to in $targets){ $mail.To.Add($to) }
# Bcc設定。設定なしも可。
if($bcc -ne “”){ $mail.BCC.Add($bcc) }
# ReplyTo設定。設定なしも可。
if($replyTo -ne “”){ $mail.ReplyTo = $replyTo }
# New-Opjectコマンドレットで.NETクラスをインスタンス化。
$sc = New-Object Net.Mail.SmtpClient($smtp)
# 送信。
$sc.Send($mail)
$mail.Dispose()