西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」@東郷青児美術館

西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」@東郷青児美術館に行ってきました。
 

(最近買ったNICON D60にて)
 
壁画が多く、残念ながら日本ではあまり見ることができません。
本展も、ジョット自身の作品の数は少ないです。
少ないながらも、写真や後継者達の作品が展示されており、ルネサンスの原点の絵画を楽しむことが出来ます。
 
東郷青児美術館は常設展も楽しみなのですが、なーんと、今はポール・セザンヌ「りんごとナプキン」がありません!(他の美術展に貸し出し中)
その代わり、モネ「税関吏の小屋・荒れた海」があります。こちらもすばらしかった。
グランマ・モーゼスのほのぼのとした絵も楽しめました。

Continue reading “西洋絵画の父「ジョットとその遺産展」@東郷青児美術館”

たばこと塩の博物館編『四大嗜好品にみる嗜みの文化史』

たばこと塩の博物館編『四大嗜好品にみる嗜みの文化史』を読みました。
先日見に行った展示のカタログです。
 
四大嗜好品=茶、酒、コーヒー、たばこの文化史が豊富な写真とともに説明されています。
入門書としては最適でしょう。
英国のコーヒーハウスに男性が入り浸り、それに業を煮やした女性達が喫茶の習慣を積極的に取り入れていって、コーヒーハウス廃れていって英国では紅茶文化が花開く。そんな歴史や、各国のキオスク比較も面白い。
 
オススメ。
ISBN振ってあるけど、たばこと塩の博物館でしか売ってないと思います。
1,000円。買うべし。
 
「液晶絵画」展のカタログカウントすると、今年67冊目かな。

Continue reading “たばこと塩の博物館編『四大嗜好品にみる嗜みの文化史』”

東京都写真美術館の「液晶絵画」と「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」

はたまた、東京都写真美術館に行ってきました。
 
20080923_東京都写真美術館
 
まずは「液晶絵画」展。映像使った作品やインスタレーションが展示されていました。
 
森村泰昌作品の実物観たのは初めてでした。
ブライアン・イーノも、アンビレント音楽は聴いたことあったのですが、映像作品は初めてでした。映像やってたんですね。知らなかった。
 
カタログ『液晶絵画 STILL/MOTION』も読みました。その中では、加須屋明子「映像と時間 ミロスワフ・バウカとドミニク・レイマンの映像表現を中心に」が参考になりました。
ミロスワフ・バウカの「BlueGasEyes」という作品があります。地面にスクリーンがあって、上からガスコンロを映す作品。だからどうしたという感じですが、青い目はアーリア人の特徴とされており、”ガス”の青い炎で表現されている。スクリーンには塩が敷き詰められており、汗のあと、涙のあとを想像させる。ユダヤ人虐殺が作品に重ね合わされているのでした。本エッセイによりわかった次第です。
 
続いては「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ 第二部「わが祖国」1918-1961」。
第一部はイマイチでしたが、第二部はなかなかよかった。キャパら有名な写真家の作品が数多くあったからかもしれません。歴史的なイベント毎ではなく、ドキュメンタリー写真とか、テーマ毎に展示されていました。雑誌記事からの写真も多くありました。
 
いずれもオススメであります。
 
帰りに恵比寿の「味噌丸」という味噌ラーメン専門店に寄る。
 
20080923_味噌丸
 
味噌チャーシューメンを注文。まあまあ。少したかいかな(千円)。モヤシ食べ放題です。
 
その後、喫茶店に寄って、WILLCOM03で本記事を書いて、帰宅。
いい休日。

Continue reading “東京都写真美術館の「液晶絵画」と「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」”

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読みました。
 

 
一言で片付けると、想像力の貧困な小説です。
ただただ、叙情的に片付けてしまっている。一番いけないタイプの小説でした。
 
臓器提供する役割をおった人間(提供者)を作り出し、その生活を描いているのですが、社会や国家が出てきません。もしそのような人間が誕生したら、人権問題が起きて、提供者の生活は穏やかではありえないはずです。そういったところが何もなし。想像力が貧困。
 
読まないほうがよいです。
 
今年65冊目。

Continue reading “カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』”

うっかり

mixiを見ていたら、日刊ゲンダイ2008年9月17日掲載の「こんな汚い連中に首相の資格など全くなし」というニュースが流れていました。
 
内容は自民党総裁選が、衆院議員選挙の事前運動に当たり、公職選挙法に抵触するというもの。
確かにそうですね。
この視点は無かったなあ。反省反省。
 
公平性に欠けますので、自民党総裁候補はすぐに活動を休止するべきです。
活動休止しない人は支持しないようにしましょう。

Continue reading “うっかり”

高千穂遙/一本木蛮『じてんしゃ日記 2008』

高千穂遙/一本木蛮『じてんしゃ日記 2008』を読みました。
 

 
こちらの続編ですな。
 
一本木夫妻も何台か自転車を買い足している模様。
私もロードとかほしーなー。
そう考えると今のワンルームは狭いな。引越し考えますかね・・・。
 
今年64冊目。

Continue reading “高千穂遙/一本木蛮『じてんしゃ日記 2008』”

消費税増税について

今後、消費税増税が論点となります。
 
高齢化に伴い、社会保障費が増大する。
 ・・・なるほどなるほど、その通りでしょうな。納得です。
 ↓
社会保険料では賄いきれないし、財政の弾力性を維持するためにも、つまりは後の世代が借金返済にひーひー言わないためにも、国債に頼らず、税収増で社会保障費の増大に対応する必要がある。
 ・・・なるほどなるほど、その通りでしょうな。これまた納得です。税金増えるのOKですよ。Welcome!!
  ↓
その財源は消費税であり、消費税の増税が必要である。消費税はホニャララ%にする必要がある。
 ・・・ちょっと待ったー!!
 
と、ここでひっかかるのです。
 
なぜならば、消費税の性質に逆進性があるからなのです。低所得に人からたくさんの税金を取りうる仕組みなのです。
橘木俊詔『格差社会 何が問題なのか』がわかりやすく説明しています(p.190)。貯蓄と消費の比率を考えればよくて、高所得者はかなりの金額を貯蓄に回せますが、低所得者は貯蓄に回す余裕が無いので、所得のかなりの部分を消費に回さざるを得ないでしょう。低所得者のほうが、税金払う割合が増えてしまうのです。
 
税はおしなべて累進性を持たせるべきなのです。持てるものの責任でありましょう。
所得税の増税が考慮されるべきです。私なんか、所得税増えるのWelcomeですけどねえ。それでやる気を失うなんてことはないですな。福祉に使われるのであれば、税金払う人冥利に尽きるというものです。
所得税は節税できてしまうので、消費税で確実に税金を取るべきという議論も有り得ます。それには一理ある。しかし、消費税の逆進性を止める施策が必要です。これまた橘木俊詔 前掲書に提案されていますが、「食料品や教育、医療など生活に欠かせない分野への支出は非課税にし、それ以外の一般財だけに税金を掛けます。しかも贅沢な商品には一五%よりも高い税率を掛けます。」といった具合です(p.200。ちなみに15%は橘木氏が妥当だとする消費税率)。
 
おそらく今後は消費税増税議論が活発になってくるのでしょうが、評価のポイントは消費税の逆進性に配慮しているかどうか。ここのところをきちんと考えていない消費税増税論には全てNOを突き付けるべきです。

Continue reading “消費税増税について”