アネット・メサジェ /森美術館『アネット・メサジェ 聖と俗の使者たち』

アネット・メサジェ /森美術館『アネット・メサジェ 聖と俗の使者たち』を読みました。
 

 
先日行った森美術館で購入したもの。
論考が難しい。インタビューは参考になります。
 
今年62冊目。

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政党再編への第一歩として暫定的な政権交代を

自民党総裁選が始まっています。9/5の東京新聞朝刊では、4人の候補者の経済政策をチャート化していますが、同じ政党に属しながらも経済政策で正反対といっていいほどの違いがあります。
 
自民党は昔から包括政党(catch all party)でありまして、色々な立場の人が集まって、政権与党を構成してきました。なんだかんだで長期的に自民党が政権を担当してはいますが、自民党内の立場の異なる人が総裁選を争い、総裁が入れ代わることで、擬似的な政権交代を実現してきたともいえるわけです。これを評価する人もいます。
 
しかし、結果はどうであったにせよ、そのプロセスに有権者は不在でありました。政権交代は、同一政党内の総裁選ではなく、有権者による政権政党の選択、すなわち選挙を通じて行われるべきものです。ところが現在、他方の民主党もこれまた寄り合い所帯でありまして、政党間の対立軸がよくわかりません。大連立構想すら出てくるありさまです。これでは、どこの党に投票すべきかよくわからず、有権者からしてみれば、選択しようにも選択できない、というのが現在の政治状況でありましょう。
 
この状況を変えるためには、政治方針の違いを軸とした政党再編が必要だと思います。おそらく大きな論点は、新自由主義でいくのか、社民主義(他の言い方のほうがいいかな)でいくのか、でしょう。その論点を軸とし、自民、民主のみならず、社民党や他の政党含めた再編を望みます。二大政党制度の是非や、選挙制度についても再考されるべきでありましょう。
 
とはいえ、現段階での早急な再編は難しそうです。そうなると政権は一時的なものであるべきで、近々での政党再編を目指す政権こそ、現段階での選択肢でありましょう。しかし、それは自らの失脚につながるわけで、そんな主張をする人はたぶん誰もいないでしょう。
 
じゃあどうするか。
私の提案は強引な療法です。すなわち、次の衆議院選挙で、自民党から他の政党への、とりあえずの暫定的な政権交代を実現することです。で、その政権をしばらく維持し、自民党が必ずしも与党ではないんだ、ということを内外に示します。
そうすることで、自民党が包括政党であることの根拠を崩します。自民党に属しても政権取れないのであれば、自民党が包括政党である根拠は無くなり、政界再編へのモチベーションが向上することでしょう。政権取った党が包括政党化する可能性があるので、自民党に代わってここで政権取る党は、党を挙げて、新自由主義か社民主議か旗色を明確にするべきです。
結果として政治方針の違いによる政党の再編が起こりやすくなるでしょう。
 
自民党以外の党というと現実的には民主党になるのでしょうが、自民党派閥政治を影で牛耳っていた小沢氏に、こちらが望むような政党再編は託しにくいです。市民運動出身の菅氏に期待します。不倫問題はもう本人も反省したことでしょうし。あ、でも民主党党首選には出ないのか。じゃだめだな。社民党の福島氏を中心にした連立政権というのもありでしょう。北朝鮮への変な期待とか憧憬とかもうないでしょうし。それに必ずしも二大政党制ありきというわけでもありますまい。
 
暫定的に非自民政権を立て、維持し、政党再編を促し、選挙による政権交代を定着化させる。そこに狙いを定めるのであれば、小沢民主党でもいいと思います。
ともかくひとまずは、次の衆議院選挙で非自民への投票を行いませんか。広くお誘い申し上げます。
 
なお、政治混迷のなか、強力なリーダーシップを求めるのは誤りの始まりなので、慎重にいきましょうね。
 
cf.)
全部WILLCOM03で書きました。やはりキーボードは快適です。
 
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「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展

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「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展を観に行きました。
六本木ヒルズの森美術館で開催されています。
 
ぬいぐるみや毛糸、写真等を使ったインスタレーションが展示されています。
動物の着ぐるみを利用したものもありました。それはあるときは仮面であり(「彼らと私たち、私たちと彼ら」)、あるときは観察対象でもある(「観察中」「残りもの(家族Ⅱ)」)。無ければならないもののようで、着脱可能でもあります。脱げるんだということを、日常のなかでは忘れてしまいがちです。一見ファンタジーなアートで気づきを与えてくれます。
 
あと、鳥の剥製を使った最初の展示「寄宿者たち」は結構衝撃的でした。
あまり評判は良くないかもしれません。批判的、というか嫌悪感をあらわにする人が周りに何人かいました。
 
展示会にあわせて販売されている画集はなかなかよいです。インタビューも参考になります。
論説もいくつか載っていますが、現代アートに関する論文はわからないんですよね。
ひとえに私の勉強不足。文献集めて勉強せねばー。

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田中芳樹『銀河英雄伝説(10(落日篇))』

田中芳樹『銀河英雄伝説(10(落日篇))』を読みました。
 

 
ついに、ついにーーー。
読み終わってしまいました・・・。
いやー、面白かったなあ。
 
冷静になると、かなり無理な展開があることに気づきますが、何の何の、そんな欠点には目をつぶりましょう。怒涛の物語でした。
良かった。ありがとう。
 
今年61冊目。

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カレーハウスAYA@船堀

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船堀で開催されている「PMシンポジウム2008」に来ています。
 
お昼は「カレーハウスAYA」というお店でカレーにしました。カツカレー辛口を注文。
期待していませんでしたが(失礼)、あげたてジューシーなカツがおいしくて、かなり満足できました。
 
船堀に来たらぜひ。

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霧の火~樺太・真岡郵便局に散った9人の乙女たち~

「霧の火~樺太・真岡郵便局に散った9人の乙女たち~」を観ました。
 
日本敗戦後の1945年8月20日に起きた真岡郵便電信局の電話交換手集団自殺(自決)を元に作られたドラマです。これは良かった。保存決定。
 
さて、「九人の乙女の像」という、事件で自殺(自決)した9人の電話交換手の慰霊碑があります。ドラマの最後でも出てきます。慰霊碑には、交換手の最後の言葉らしき文章が書いてあります。
 
「皆さん これが最後です さようなら さようなら」
 
かつて私の先生は「“これが最後だ”という言葉に決してだまされるな。“これが最後”なんてことは決してない。」と言い、それを卒業生に送る言葉としました。
 
ドラマ中、遠藤憲一演ずる山田史郎は、青酸カリを手にした義理の娘に対して言います。
 
「いいか瑞枝。いざっていうときはな、目ぇつぶって、歯ぁくいしばって、野田(主人公 瑞枝が心を寄せる男性。戦争に行きました)のことでも考えていろ。貞操なんてたいしたもんじゃない。」
 
その後、ソ連軍人に犯された姿を見て言います。
 
「お前、露助に・・・気にすんな。生きているほうが、ましだ」
 
純潔を守ろう、とかいうのって、なんて表現しておけばいいんでしょうか。“純粋なロマン”とでも言えばいいのでしょうか。“純粋なロマン”におぼれず、汚くても何でもいいから生きろ生き抜け!というメッセージがドラマから強く伝わってきました。
 
ちなみに慰霊碑の言葉は史実と異なります。おいおい。
ドラマは慰霊碑の言葉を使っていました。
 
また、戦争を終わらすのを遅らせた張本人に対する露骨な批判がありましたね。
そのために山田史郎というキャラを作ったのではないかと思われるくらいです。
脚本家にはかなりの覚悟が必要だったでしょう。竹山洋さんに心からの敬意を表します。
ソ連軍の民間人への攻撃も露骨に描かれていました。
戦争はやっちゃだめです。ストレートに伝わってきます。
 
あと最後に、今読んでいる明田川融『沖縄基地問題の歴史 非武の島、戦の島』で問題提起されている点、すなわち、戦争における集団死の悲劇について、民間人の自決を軍が命令した・してないだけが論点ではなく、真岡郵便局において青酸カリを彼女らに渡したような「中間層の存在・機能・役割りの包括的解明が不可欠」(P.60)であるという課題点を指摘しておきます。
 
あ、最後の最後に、エンディングの曲は松山千春「思ひ」でした。
音楽に関して、やはり松山千春はあなどれません。

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