福間健二(監修)『佐藤泰志: 生の輝きを求めつづけた作家』

福間健二(監修)『佐藤泰志: 生の輝きを求めつづけた作家』を読みました。
 

 
未刊行初期小説2篇と、様々な人々の対談や評論を読むことができます。
「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」といった映画に関する対談もありました。
 
その中でも金子彰子さんの評論がよかった。最後のところを引用します。
 
「作家が残した作品を読むと、どんな場所に生まれたとしても、人はあるがまま生きるしかない、それなりの望みと夢をもって、という声が聞こえてくるようだ。佐藤泰志、復活。読者が待っていた作家はあなただったのだ。」(P.122)
 
佐藤泰志作品集』に収録されている短編「虹」を挙げている人が多かった気がします。私が好きな作品であって、目についてしまっただけかもしれないのですが。
 
今年45冊目。

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佐藤泰志『鳩』

佐藤泰志『鳩』を読みました。
 

 
傷ついた鳩によって、別れの決断が揺り動かされながらも、もう戻ることのない二人。
 
佐藤泰志の未刊行作品です。
電子書籍だと、出版社側にもコストはかからないのではないですかね。在庫を持たなくてもいいはずだし。この調子?で、佐藤泰志の、未刊行含めた著作すべてが刊行されてくれないかなあ。
 
今年44冊目。

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福間健二編『もうひとつの朝 佐藤泰志初期作品集』

福間健二編『もうひとつの朝 佐藤泰志初期作品集』を読みました。
 

 
未刊行作品10編が収録されています。
いずれもみずみずしい。青年期を描いた傑作短編群であります。
佐藤泰志の時代の暗いところと真摯に向き合う姿は、まさに今日求められるのではないでしょうか。
 
今年43冊目。

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辻仁成『海峡の光』

辻仁成『海峡の光』を読みました。
 

 
辻仁成もまた函館市文学館で紹介されていた小説家の一人であります。
 
看守の斎藤と受刑者の花井。二人の小学校時代の記憶と現在とがかわるがわる語られていき、時代は青函連絡船の廃航を迎えます。廃航により人々の人生も大きな影響を受けていくわけですが、時代の変化のなかでも、二人の心の闇は闇のまま、それを抱え込みながら今後も生きていくのでしょう。
 
花井が少年刑務所にあえてとどまろうとするのは、「世の中の外にいられることとの自由」(p.78)を享受しようとしていたからでしょうか。理由は明確に語られることなく、超俗したかのような彼の姿が描かれて終わるのみです。
 
うーん、しかし、辻仁成が芥川賞で、佐藤泰志が芥川賞で無いんだから、文学の評価は難しいものですねえ。
 
今年42冊目。
※図書館で借りた本。

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岡田憲治『デモクラシーは、仁義である』

岡田憲治『デモクラシーは、仁義である』を読みました。
 

 
Kindle版を買おうとしたのですが、帯が魅力的でして、新書版を買ったのでした。
 
「デモクラシーのために習慣を変えてみる」というところ、以下の4つが挙げられますが、「言葉」に目を向ける著者の姿勢は前々から変わらず一貫しています。それこそが政治を支えるからなのでしょう。
 
1.純粋合戦をやめる
2.言葉を豊かにするのにかかる費用はケチらない
3.空気ではなく言葉に縛られることにする
4.我々の政治は「よりまし選択」だと諦める
 
「純粋」になってしまうところは私もあるかも。気をつけて生きてみよう。
 
非常に参考になる本なのですが、最後に批判的なことを書きますと、「」を多用する文体なので読みにくい。引用なのか、専門用語なのか、作った話なのか、誰かの発言なのかがはっきりしないので、非常に分かりづらくなっています。あと、批判的なことを書くときにあえて名前を伏せているところ。オープンにして批判すればいいのではないでしょうか。何を守ろうとしているのか、理解に苦しみました。
 
今年41冊目。

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佐藤泰志作品集

佐藤泰志作品集を読みました。
 

 
700ページ近い大著であります。主要な小説・詩・エッセイが収録されています。
 
近年は再評価されていて、文庫も多く出版されており、文庫を揃えればいいので、本書の意義は薄れているかもしれません。
・・・が、後期に書かれた「星と蜜」「虹」が収録されていて、これがかなり良いのです。この2編のために本作品集を手にとってもいいと思います。
 
「そこのみにて光輝く」は映画化されました。観ました。小説の世界を見事に映像化していると思います。
 

 
今年40冊目。

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佐藤泰志『海炭市叙景』

佐藤泰志『海炭市叙景』を読みました。
 

 
佐藤泰志は函館市文学館で出会った作家です。気になりまして手に取った次第。
 
作者の自死により途中で終わった作品でありますが、短文織り成す叙情溢れる小説です。様々な立場の様々な生き方が、透き通った文体で表現されています。逆に言うと、ウェットにそれぞれに踏み込むことはありません。表面的に見えるかもしれませんが、だからこそ表現できた世界なんだなあと思います。
 
近年再評価されていて、映画化もされていて、観てみました。
 

 
映像化はやっぱり難しいのかもしれませんね。あまり言うとネタバレなので隠しますが、『海炭市叙景』のいちばんはじめの話が、ずっと影を投げかけているところが小説にはあるんです。映像にはうまく表現できていませんでした。最後でやろうとしていたのはわかるんだが・・・。残念。
 
今年39冊目。

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第32回市川市民納涼花火大会を自宅から観る

第32回市川市民納涼花火大会を自宅から観ました。
今年引越ししたので、ベランダから観れるようになったんですよね。10年ぶりだ。
 
ベランダに三脚を設置し、CAPTAIN STAGのイスも設置し、準備ばんたん。
グラタン作ってワイン飲んで、映画「さらば あぶない刑事」を観て花火開始まで。
映画「さらば あぶない刑事」は非常によかったです。エンターテイメント映画はこうでないとねー、って感じ。無理あるストーリー進行や、どんぱち繰り返すところなんか、非常にスカッといたしました。
 
花火スタート!
・・・が、ちょっと前のマンションが邪魔でした(涙)。とはいえ、観覧席付近で三脚を構えられる場所はないでしょうし、くつろげますので、自宅花火鑑賞はたまりません。
 
P8062321
 
P8062329
 
P8062320
 
P8062271
 
よかったよかった。

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