福間健二(監修)『佐藤泰志: 生の輝きを求めつづけた作家』を読みました。
未刊行初期小説2篇と、様々な人々の対談や評論を読むことができます。
「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」といった映画に関する対談もありました。
その中でも金子彰子さんの評論がよかった。最後のところを引用します。
「作家が残した作品を読むと、どんな場所に生まれたとしても、人はあるがまま生きるしかない、それなりの望みと夢をもって、という声が聞こえてくるようだ。佐藤泰志、復活。読者が待っていた作家はあなただったのだ。」(P.122)
『佐藤泰志作品集』に収録されている短編「虹」を挙げている人が多かった気がします。私が好きな作品であって、目についてしまっただけかもしれないのですが。
今年45冊目。