津上みゆき「“View”という視点」を観に行ってきました。
ハシモトアートオフィス企画でgallery21yo-jにて開催されています。
自由が丘駅を降りて、そこそこ歩いたところにあるギャラリー。住宅街の一角にありました。
ほとんど人がおらず、メインの4品をじっくりと観る。対象が溶け込んでいるような絵の印象がありますが、今回のメインの作品は対象が結構残っている感じでした。絵の中に入っていくことを誘われているような、そんな作品でした。
前室に小品も並べてあって、貴重だったのは朝日新聞掲載の絵の原画があったということ。ファイルに収められていて、じっくりと拝見しました。来年の3月まで続くらしい。長丁場ですな。メインの大作は手が届かない金額なので、小品を検討しましたが、ギャラリー入り口の看板にもなっている上記の作品は良かったのですが、ちと大きめでちと(かなり、か)お高かったので諦めました・・・。
そのうちに人が集まってきました。初日で、アーティストトーク「津上みゆきの絵画“View”について」津上みゆき×中井康之(国立国際美術館 副館長) があったためです。なんでもそうですが、作家にとらわれるのもおかしいので、作家のトークとかはあんまし聞かないのですが、せっかく開催されるわけですし、参考までに聞いてみました。非常に興味深かった。
ひとつあったのは、津上さんが作品を抽象画として捉えられるのを嫌がっているということ。そもそも絵は抽象的でしょう、といった指摘が観客からあったのですが、それに対してはややムキになる感じで、これらの絵は実際の風景があり、具象だと言っていたのが印象深かった。抽象って言うとポロックみたいな感じになってしまうからでしょうか。米国に行ったときに抽象画を見て、これは違うなあと思ったとか言っていました。どこまでが具象でどこからが抽象か、というのも微妙で、絵はなんというか抽象云々よか昇華する、しているものだって言ったほうがいいのではないかと思いました。
あと、作品をLandscapeではなく、Viewとしているとのこと。風景そのまま、ではないわけです。この整理も参考になりました。
今後は国内外の展示が続くようです。さらなるご活躍を期待いたします。
トーク後も作品群をじっくりと観ました。軽食と飲み物が出されるレセプションが続いたのですが、そういうの好きではないので、そそくさと退散しました。
良い展示会です。オススメいたします。