天気の子

「天気の子」を観ました。

一回目を観たときは、前作と比べてそこまで劇的ではなかったので、いまいちな感じはしました。二回目を観たところ、これはなかなかにいいのではないかと思いました。

我々は犠牲を強いています。
経済の面でも、未来の人たちに対して。借金しまくっていますからねえ。
それに、自然環境に関しても、未来をさておいて、いまいまの経済を優先させていると思います。

未来の誰かに苦しみを押し付けている我々を問いただします。

最後の方の「取り返しがつかなくなる」の下りは興味深い。いまいまの我々に取り返しがつかなくてもいいのです。それよか、さきざきの我々にとって、取り返しがつかなくなる選択肢を取るべきではないのです。

また、誰かを犠牲にするくらいなら、「天気なんて狂ったままでいいんだ」。

最後の「僕たちは、きっと大丈夫だ」は、子供の覚悟として言わせるのではなく、大人が子供に自然に言わせるべきセリフだと思います。

みせかけの“平和”でいいのか、問いただしてくるアニメだと思いました。

西村京太郎『終着駅殺人事件』

西村京太郎『終着駅殺人事件』を読みました。

ちょっと前に湯河原の西村京太郎記念館でご本人からサインを頂戴し、作品を絶対読もうと思っていたのですが、図書館が封鎖されていたこともあって、やっと読むことができました(近所の図書館にて予約本の受け取りが可能になっていました)。

非常に面白かったです。一気に読み切りました。
トリックも、たしかにそういえばそうだったなあ、という感じで、トリッキーすぎずなるほどーという感じ。
青森〜上野のノスタルジー、そして、あまり人生がうまく行っていない人々に対する共感にあふれている小説です。

実は、両親がよく読んでいて、若い頃の愚かな私は「けっ、推理小説なんか読まねーよ」と思っていたのでした。その後、推理小説を読むようになり、若い頃の間違いを悟りました。素晴らしい世界がそこにはありました。しかしながら、西村京太郎だけは、両親への反発みたいのがまだ残っていたのでしょうか、避けていたのです。人生もったいないことをしてしまいました。。。読んでいきたいと思います。

今年33冊目。
※図書館で借りた本。

ぞえ『SE女子の日常(1)』

ぞえ『SE女子の日常(1)』を読みました。

購入したKindle Oasisのオススメに挙がっていて、Kindleオーナーライブラリーで無料だったので、手にとって見た次第。
Androidアプリの開発をしていた方なので、その現場を伺いしれたのは新鮮ではありました。とはいえあまり参考になるものは無かったかなあ・・・。

今年32冊目。

カミュ『ペスト』

カミュ『ペスト』を読みました。

久々の再読。

ペストは急に発生し、なぜか急に無くなっていきます。そしていつかまた復活しうることが匂わされて終わります。
誰かによってペストが駆逐されるといった劇的な展開は何もない、簡潔な文体によるリアリズム小説です。

今読んで違和感があるのは、ペストのさなかでもカフェとか映画をやっているというところでしょうか。
また、ペストが去って街が開放されるときに歓喜が押し寄せます。

今や、コロナ対策でシャットダウン状態ですし、コロナが去ってもおそらく前の生活には完全には戻れないでしょう。もう大丈夫だ、という歓喜が押し寄せてくるイメージは持てません。

照らし合わせるに、今のこのコロナの状況はとんでもない事態なんだなあと、改めて思い知らされました。

今年31冊目。

マルクス・ガブリエル , マイケル・ハート他『未来への大分岐』

マルクス・ガブリエル , マイケル・ハート他『未来への大分岐』を読みました。

マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソンと齋藤幸平との対談集です。対談集は読みにくいイメージがありますが、本書は非常に読みやすいです。それぞれの方々の著作を知らない私も特に引っかかるところなく読み進めることができました。内容は非常に読みがいがあります。

マルクス・ガブリエルの倫理の考え方が特に印象的でした。前に日本でサンデルが流行ったときに私は違和感があったのです。議論は重要ですが、議論しあっておしまいみたいな形では何も生まれないからです。かたや、マルクス・ガブリエルは言います。「私達は倫理のための普遍的原則を手にしています」(p.211)と。それはロールズの無知のベールに近い考え方で、「少しの間自分自身であることは忘れ、自分を抽象化して、他人の視点から見てください。その選択に賛成できますか?他人の視点から考えて、賛成する理由を見つけられないなら、それは倫理的ではありません。」(p.211)というものです。このように考えていけば、普遍的な倫理はあると私も思います。

あと、数カ所でハラリの『ホモ・デウス』が取り上げられていました。否定的な文脈だったのですが、ハラリは『ホモ・デウス』の最後を疑問形で終わらせているので、『ホモ・デウス』になる!とか目指せ!とは言っていないと思います。そこのところは違和感がありました。

今のままで世界はやばいよなあ、と思っている人には大いなるヒントになると思います。オススメ。

今年30冊目。

小林多喜二『蟹工船』

小林多喜二『蟹工船』を読みました。

久々の再読。Kindleの青空文庫の上位にあったので、手にとってみた次第。
どのようなロジックで人が悲惨な状況に駆り立てられるのか、やらされていることが”国富”のための”公事”だとされたり、ロシアとの比較で”日本人はやはり偉いんだ”という意識を煽られたりするわけです。今もそういうのは残っているような気がします。

今年29冊目。

Kindle Oasis(第10世代)の購入とセットアップトラブル

Kindle Oasis(第10世代)を購入しちゃいましたー。

セール時期ではありませんでしたが、コロナで家に籠もる状況となり、読書の頻度が高まっていました。iPad miniで電子書籍を読んでいましたが、いくらminiといえども重たく、読書に支障をきたしていました。かなりお高いので悩みに悩みましたが、思い切って購入してみました。せっかくなので32GBモデルにしました。流石に4Gはいらないだろうと思って除外。利子なく割賦販売されていて、セール時期ではない分、まあ割賦販売のお得感だけ生えておこうと思って、5ヶ月の割賦販売にしました。

すぐに到着してセットアップ・・・するも早速のトラブルです。
ネットで調べても色々と出てくるので、皆さん困っているのでしょうねえ。やれやれ。
私が引っかかったのは以下の2つです。

1.Wifiに繋がらない
以下で解決しました。
・IPアドレスをスタティックにする(自分でIPアドレス/デフォルトゲートウェイなどの設定をする)
・2.4GhzのAPにつなぐ
5GhzのAPには繋がりませんでした。

2.端末がAmazonに登録できない
2段階認証がうまく動かなかったので、2段階認証を外したところうまく登録できました。

端末自体は軽量で使いやすくて快適極まりないです。
セットアップをもっと簡単にしないと辛いんじゃないかなあ。

野口悠紀雄『世界経済入門』

野口悠紀雄『世界経済入門』を読みました。

日本経済入門』の続編です。データが豊富で開設がわかりやすい。比較優位説のところは少しわかりにくかったかもしれません。
新しい本なので、米国のトランプの政策や英国のEU離脱についても解説があり、大いに参考になりました。

こちらも色々とメモっておきました。オススメ。

今年28冊目。

野口悠紀雄『日本経済入門』

野口悠紀雄『日本経済入門』を読みました。

比較的新しい本で、かつデータをもとに解説しているので、非常に納得感がありました。
日本経済については論争あるところで、私もかつてはリフレ派の本も読みましたが、いまはこの本のような異次元金融緩和には批判的な論調のほうがしっくり来ています。

色々とメモっておきました。オススメ。

今年27冊目。

ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』

ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』を読みました。

「現在」を考える21講です。考えながら読み進めるためかなり読み通すのに時間がかかります。GW中に集中して読むことにしてよかった。

「14 世俗主義」に書かれている世俗主義の世界の価値観が私には合いました。私なりに整理すると以下のとおりです。

・真実を重視する(非科学的な信条/信念は退ける)
・思いやりが倫理の基盤で、苦しみが少なくなるような中道を探し求める
・平等を大事にする(先にありきの階層制には疑いの目を向ける)
・自由を大事にする(疑いを持って異なる道を試してみる)
・誤りや無知を認めて未知の世界に踏み込む勇気を持つ
・責任を持って自分たちにできることをなす(近代以降の社会の罪と失敗の責任を取る)

これらの価値観を忘れずに持っておいて、いろいろなことを考えたいと思います。

今年26冊目。