津島佑子『真昼へ』を読みました。
「泣き声」「春夜」「真昼へ」の3編が収録されています。
(いつもなら楽天ブックスへのリンクを張るのですが、楽天ブックスでは検索できない・・・ひどい、こんな名作が)
変な言い方になってしまいますが、息子の死から、息子が生きていることを発見します(「真昼へ」)。
息子の生は、多くの人に変化を及ぼしたのであり、「多くの人の変化の全体として、あなたは存在し続けている」わけです。
また、「あなたが関わった一連の人たちによって支えられ、息吹も与え続けているひとつの有機体があなたの実態なんだ」と定義すると、物理的にも息子は生き続けていることになるんだ、とします。
(p.165-166)
存在についてのこの考え方は興味深いです。
今年8冊目。