「税と社会保障の一体改革」素案について

 「税と社会保障の一体改革」素案が報道されています。
 
 社会保障政策の維持と財政健全化に必要な政策であります。消費増税のみならず、高所得者層に対する所得税の増税や、低所得者対策も盛り込まれており、ある程度は評価できるのですが、以下の2点がひっかかります。
 
 ①目標達成できないの?
 
 2012年1月7日付けの朝日新聞朝刊によると、政策に基づいて増税したところで、2015年度にGDPに対する国と地方の赤字割合を半減させる目標には届かないそうなのです。2010年度6.4%を2015年度3.2%にする目標がありましたが、増税時期の遅れにより達成が不透明になっています。目標あっての政策でしょう。「2015年度半減」を目標とするならば、その目標を達成するための政策が必要です。増税時期を早めるなど、対応が必要です。
 
 ②無駄遣いの削減と、財源の組み替えの話はどこいった?
 
 次年度予算案では、整備新幹線の予算が計上されたり、八ッ場ダム建設再開したりと、大きなハコモノ予算が復活しています。こういう予算を切り詰めて「人」に回す、という民主党のマニフェストはどこに行ってしまったのでしょうか。無駄遣いを無くし、財源を「人」に関わる方に組み替えることもしていかないと、増税には納得できないのです。
 もし組み替えが無理なんだったら、なんで無理なのか、どこでひっかかってしまったのか、そもそも何でマニフェストに掲げていたのか、マニフェストはどのように作成されたのか、といった「反省」と市民に対する「説明」が必要です。その上で、政権党として今後どうするのか(信を問うために選挙するとか)を決めて、行動していくべきです。
 ここらへんが整理つかないと、増税への納得感が薄れてしまい、増税反対の世論となり、またまた増税できないままに政権崩壊、選挙ではどの党も増税を打ち出せずに問題だけが先送りされる、といった最悪の事態にもなりかねません。
 
 以上2点がどのように今後議論されていくのか、注目して行こうと思います。


 

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