2009/5に観たドキュメンタリー。30編。
ラフに雑感を記しています。
敬称略。
ベストは、
NHK ETV特集「犬の記憶 ~森山大道・写真への旅~」(2009/3/15放送)
ですか。
その影響でGR Digital IIを買ってしまいました。
■NHK ETV特集
ここで取り上げてきたNHK番組改変ですが、福地茂雄NHK会長が「政治家に番組の事前説明をしない」と明言しました(東京新聞 2009/5/15)。5月下旬にもBPOに最終的な見解を出すようです。
ちなみに、番組改変のきっかけを作ったのは安部晋三・内閣官房副長官(当時)です。東京新聞で痛烈に批判されています(2009/4/30 社説)。国会議員を辞してしかるべき行為です。
○NHK ETV特集「犬の記憶 ~森山大道・写真への旅~」(2009/3/15放送)
⇒犬のように都会を練り歩き写真を撮る森山大道を描く。お恥ずかしながら、森山大道という人を知ったのは本編にてでした。小さいカメラを首からぶら下げ、練り歩きつつ街の姿を切り取ります。文庫本などで手ごろな価格で写真集が販売されています。買って見てみることにしよう。
○NHK ETV特集「作家・辺見庸 しのびよる破局のなかで」(2009/2/1放送)
⇒辺見庸が大いに語ります。
○NHK ETV特集「シリーズ 日本と朝鮮半島2000年 第1回 古代 人々は海峡を越えた」(2009/4/26放送)
⇒笛木優子がナビゲートします。彼女はやはり美しい。それはさておき、日本と朝鮮半島の関わりを描くシリーズです。2年がかりで放送されるらしい。壮大なスケールです。
古代から日本と朝鮮半島とはやり取りがあって、弥生土器が韓国で見つかっています。抜歯のある人骨も見つかっており、これは日本の風習だそうな。人々は朝鮮半島から日本に渡り、日本から朝鮮半島にも渡り、相互に交流があったといえるわけです。
歴史の議論も日本と韓国で進められています。任那(日本)と加耶(韓国)です。私なども任那は日本が作った国家として暗記していたのですが、韓国では独自の文化があったところとして捉えられているようです。また鉄のやり取りを通じ、大和政権は加耶と密接な関係があったようです。
○NHK ETV特集「いま憲法25条“生存権”を考える ~対論 内橋克人 湯浅誠~」(2009/5/3放送)
⇒内橋克人と湯浅誠の対談。憲法記念日に生存権の観点から憲法を振り返ります。生存権はGHQの草案には存在していませんでした。生存権は森戸辰男が強く主張したものだったのです。憲法に生存権が入れられるまでを描いています。
朝日訴訟も描かれます。最終的に原告は敗訴。最高裁は立法府の裁量に委ねるという判決をしてしまいます(裁判所は判断を行わないとした)。裁量に委ねられた立法府はその後、社会保障費の削減方針を出していき、生活保護の受給者も少なくなっていきます。生活保護を受けられないまま餓死したり自殺したりする人が出てきます。極めつけは小泉内閣の誕生です。社会保障費がさらに“見直し”されます。生活保護基準の切り下げが行われていきます。規制緩和により派遣法が改正(2003年)。製造業への派遣が可能となり、非正規労働者が増えていきます。そこで起きた金融危機。生存権を今いかに保障するのかが問われているのです。
「企業福祉国家であったことはあっても、普通の福祉国家であったことは一度も無い」と湯浅誠氏が言っています。これはそのとおりで、福祉を新たに組み立てることが今求められます。
■NHKスペシャル
○NHKスペシャル「介護保険が「使えない」 ~10年目の検証~」(2009/4/26放送)
⇒10年目を迎えた介護保険制度を検証します。介護するために仕事を辞めなくてはならない人がいます。本人にとっても、社会にとっても不幸です。家族の負担を軽減するという基本に戻って、見直しが必要でしょう。
■NHK 追跡!AtoZ
○NHK 追跡!AtoZ「選挙はいつか?政権攻防の行方」(2009/5/2放送)
⇒政局はどーでもいいことです。国対委員長らがどのような行動をしているのかを把握するにはよい番組でしたが。
○NHK 追跡!AtoZ「民主党 新代表でどう戦うのか」(2009/5/16放送)
⇒民主党・党首選の裏側を追う。
○NHK 追跡!AtoZ「新型インフルエンザ 何が問われているのか」(2009/5/23放送)
⇒当初は海外渡航経験の有無で判別されていたようです。それが発症の発見を遅らせたようですね。
○NHK 追跡!AtoZ「銀行 融資をめぐる攻防」(2009/5/30放送)
⇒武蔵野銀行における生々しいやり取りは非常に興味深いものでした。取材を受け入れた武蔵野銀行には感謝ですね。金融庁の人が出てきますが、てきとーすぎ。具体的にものを言いなさい。金融庁の問題もあるなあ。
■NHK ワンダー×ワンダー
○NHK ワンダー×ワンダー「阿修羅 天平の謎を追う」(2009/5/2放送)
⇒天平の阿修羅像の3つの顔は子供から大人への成長を表現しているという説はわかりやすい。確かに表情を見ているとそのように感じ取れます。
・・・はなさん。年をとりましたねえ・・・。、
○NHK ワンダー×ワンダー「白い魔境 冬富士」(2009/5/9放送)
⇒冬の富士山がこれほどまでに激しい山だったとは知りませんでした。まさに魔境。
○NHK ワンダー×ワンダー「浮世絵 よみがえる幻の色」(2009/5/16放送)
⇒版木は消耗品だったんですね。そのため現存しているものは少ない。残っていた版木から浮世絵を再現します。
○NHK ワンダー×ワンダー「伝説の魔球に挑む」(2009/5/23放送)
⇒消える魔球に挑む。しかし、ナックルは本当に魔球ですね。すごい変化でした。
○NHK ワンダー×ワンダー「世界遺産 密着!世紀の大修復」(2009/5/30放送)
⇒西本願寺の修復を追う。10年間修復していたとのこと。確かに、かつて出張帰りに京都に行った際、西本願寺に立ち寄りましたが修復中だったということを覚えています。とっくに終わっていたと思っていたのですが、10年も修復していたとは。4万人が携わったビッグプロジェクトです。取材陣もよく10年間追い続けました。すばらしい。
■フジTV ザ・ノンフィクション
○フジTV ザ・ノンフィクション「父さん、ゴメン・・・~5年ぶりの帰郷~」(2009/5/3放送)
⇒バンコクで“外こもり”していた男性が日本に帰るんですが・・・。
○フジTV ザ・ノンフィクション「歌舞伎町 ハイヒールの跡~保証人なし 不動産屋秘話~」(2009/5/10放送)
⇒歌舞伎町で保証人なしで貸す不動産屋とそこを頼る人々の生活を描く。
○フジTV ザ・ノンフィクション「特選 三社祭に恋して~3年後~」(2009/5/17放送)
⇒浅草三社祭に参加する女性を描く。3年前の再放送に現在の姿を重ねます。
■NHK きらっといきる
○NHK きらっといきる「さわれば、負けない~訪問マッサージ・重田裕之さん~」(2009/5/1放送)
⇒視力が無いが、マッサージのプロとしてやってきた重田裕之さんを描く。働ける場が減っているらしい。はり・きゅう・マッサージ業に目の見える人(晴眼者)の参入が激しいからだそうです。整体・カイロプラクティック・リフレクソロジーといった国家資格が不要なものも増えてきています。重田裕之さんは訪問マッサージの仕組みと仲間を作ろうと活動をしています。
○NHK きらっといきる「ボク、結婚したいなぁ~後藤優起さんの日々~」(2009/5/15放送)
⇒障害者の婚活と結婚。知的障害のある人の場合、在宅で生活する人のうち3%しか結婚できていないようです。
○NHK きらっといきる「【シリーズ】ほやほやのリーダーたち 第1回 この町はオレたちが変える」(2009/5/22放送)
⇒三井孝夫さんと、地元の町で暮らそうとする運動を描く。
■NNNドキュメント
○NNNドキュメント「パーは、できないけど 難病・表皮水疱症を生きる」(2009/3/15放送)
⇒わずかな刺激で、皮膚や粘膜に水疱やただれができる難病「表皮水疱症」と戦う母子を描く。ぎゅっと抱きしめることもできません。治療法はまだ見つかっていないとのこと。最後の子供同士で手をつなぐシーンはすばらしいです。
■テレビ朝日 テレメンタリー
○テレビ朝日 テレメンタリー「決戦前夜~静岡7区 水面下の攻防~」 (2009/4/7放送)
⇒鈴木診療院と過疎地の地域医療がまずは映し出されます。いわゆる小泉改革の影響で、医療の問題、非正規労働の問題が生じています。前回、片山さつきで“盛り上がった”静岡7区でもその問題が表面化しています。片山さつきは露骨にも中央との太いパイプを売りにしています。利益誘導政治の復活であります。
次の選挙はどうなるのか。注目の選挙区ですね。
○テレビ朝日 テレメンタリー「陽だまりの日々~末期がん・家族の絆~」 (2009/4/14放送)
⇒末期がんに侵された女性とその家族を描く。
■TBS ドキュメント・ナウ
○TBS ドキュメント・ナウ「アラフォー 瀬戸際の女たち」 (2009/4/7放送)
⇒いわゆるアラフォーの女性たちを描く。
■テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言
○テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「さらば警察~わが人生に悔いなし~」(2009/5/11放送)
⇒警察の不正と戦った仙波敏郎さんと東玲治さんを描く。出世をあきらめて警察の裏金を拒否し続けた仙波敏郎さんには脱帽します。愛知県警の態度はありえないね。愛知にだけは住まないようにしよう。
○テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「命の高座~余命1年の女性落語家~」(2009/5/18放送)
⇒余命宣告を受けた落語家・街道徳尾さんを描く。
○テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「緊急特集 感染拡大 WHO女性監視官は見た」(2009/5/25放送)
⇒急遽放送されたっぽいですね。東京新聞でよく出てくる検疫に批判的な木村もりよさんも出てきました。検疫はパフォーマンスだと言い切ります。確かに新型インフルエンザを検疫で見つけることは困難で、検疫に偏りすぎた厚労省の対策不足は否めません。
○テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「シングルマザー物語~女が一人で生きること~」(2009/5/25放送)
⇒全国で約120万世帯いるシングルマザー世帯。ある世帯の生活を映し出します。
■TBS 水曜ノンフィクション 関口宏モトをたどれば
※ほかにもいろいろ観なくちゃいけないのがあるので、本番組は来月からは観ません。
○「「生き直し」に挑戦する人々 日本最大集団「団塊世代」の迷い」(2009/5/20放送)
⇒残間里江子さんがいいことを言っていました。団塊の世代とか言われますが、学生闘争に参加したのはごく一部なんです。団塊の世代には当てはまるものの、中卒と高卒の両親を持っているものとして、この指摘は良くぞ言ってくれた感があります。
■NHK ハートをつなごう
○NHK ハートをつなごう「4年目です」(2009/4/27放送)
⇒4年目を迎えた「ハートをつなごう」。テーマを絞らず、いろいろな人々を取り上げます。