ネットワークを設計・構築して思うことを一つ。
どこをどういうルートを経由して通信させるかという、いわゆるベストパス選択を、例えばOSPFを使っているとすると”コスト”値によって制御します。
OSPFもシングルエリアだけだったら単純なのですが、大規模なネットワークだとマルチエリアになって階層化していきます。マルチエリアだけだったらまだいいのですが、他のルーティングプロトコルを使ったネットワークがあったりすると、再配布が使われますので、かなり複雑化していきます。ルート制御が非常に難しくなります。
この状況で注意しなければいけないのは、
・ルーティングタイプ
・コスト
であります。
ルーティングタイプというのは、OSPFの場合はエリア内経路(O)、エリア間経路(O IA)、外部経路タイプ1(O E1)、外部経路タイプ2(O E2)の4つがありまして、順序は以下の通りです。コストより先にまずこちらが優先されて適用されます。
1.エリア内経路(O)
2.エリア間経路(O IA)
3.外部経路タイプ 1(O E1)
4.外部経路タイプ 2(O E2)
(Thomas Ⅱ(2003),p.73)
で、後はコストの計算すると。これでベストパス選択はOKです。よかったよかった。
・・・って、よくなーい!!全くよくないのであります。
これはネットワーク上級者も忘れてしまいがちなポイントです。
ベストパス選択では、何はともあれ、
ロンゲストマッチがまず適用
されるのです(ロンゲストマッチについてはいろいろなところに素晴らしい解説があるので割愛)。
その次にAD(アドミニストレイティブ・ディスタンス)、その次にOSPFならルーティングタイプ、そしてコストが適用されます。
OSPFをシングルエリアで使っている場合はほぼ考えなくていいので(コストを考慮しておけば万事OKでしょう)、普段はあまり意識しないのですが、大規模ネットワークでは必ず考えておかなければいけないのが”まずはロンゲストマッチ”だということです。
これを忘れると、私のように多方面から怒られるハメになります(笑)。
これは本当に大事なので、標語的に繰り返しておきましょう。
ロンゲストマッチは大切だ!
ロンゲストマッチを忘れるな!
ロンゲストマッチが一番先!
これだけ書いておけば忘れないでしょう。
それでも忘れる可能性があるならば、#show ip routeコマンド結果で覚えるという方法もあります。
#show ip routeと入力すると、
O 192.168.1.1 [110/10] via 192.168.1.2, 00:00:42, Serial1
みたいに表示されますが、この中の、
192.168.1.1 [110/10]
の部分を見れば、ベストパス選択順がわかるのです。
左からロンゲストマッチ、AD、コストになっていますね。
これでロンゲストマッチを忘れてしまうことはないでしょう(たぶん)。
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(参考)
Thomas Ⅱ,Thomas M.(2003)『Ospf Network Design Solutions』
OSPFの設定ですね~。
BSCIの時、苦労させられたところです。
るとるさんの記事を読んで、すっかり忘れていることに気付かされました(笑)
まずい、まずい。
るとるさんの記事で、復習させていただきます。
忘れてます(笑)。
しばらくほっとくと忘れちゃいますよね。気をつけないとー。