吉行淳之介『原色の街・驟雨』を読みました。
向島を散歩したときに「鳩の街通り商店街」という通りに行きました。ガイドによると、吉行淳之介「原色の街」の舞台だったとか。それで本書の存在を知った次第です。吉行淳之介を読むのは恥ずかしながら初めてであります。
娼婦の街を描いた表題作。「原色の街」はよいのですが、芥川賞をとった「驟雨」は??という作品。しかしながら長部日出男氏の解説を読むと、なるほど、と思います。そもそも1954年に書かれたという点を忘れるべきではないのでしょう。肉体から精神に迫っていこうとする、当時としてはおそらく実験的な取り組みであったはずです。
今年79冊目。