朝日新聞「ロストジェネレーション」取材班『ロストジェネレーション さまよう2000万人』を読みました。
「ロストジェネレーション」=「さまよう世代」(p.3)です。1970年代初頭から80年代初めにかけて生まれた世代で、約2000万人います。かくいう私もちょうどその年代です。
「『総中流から格差社会へ』という日本社会の根源的な変化こそが、ロストジェネレーションを生み出した母体であった。」(p.189)
学校を卒業して社会に出たとき、戦後最長の経済停滞が彼ら彼女らを待ち構えていました。雇用は不安定化し、正社員になれないままに歳を重ねる人も居ます。生き方のモデルも無いままに、「ロスト」=「さまよう」姿がレポートされます。
どうすれば問題は解決するのでしょうか。
・非正規社員から正社員になれる仕組みを作る(固定化しない)。
・新たな雇用を作り出す。
・職務給を導入して特定の世代だけが損をしないようにする。
といった議論が紹介されていますが、どれも実現は困難でしょう。そんな中でも、政治を志したり、NPO等の社会的企業を興したり、運動をしたりする人々の姿が紹介されています。人と人とのつながりの中にこそ、新たな道は見出されうるということでしょうか。
今年21冊目。