榊原清則『企業ドメインの戦略論』を読みました。
少し古い本ではありますが、ドメインの重要さについて具体例と共に理解することができます。
エイベルの定義に従うと、ドメインは3次元で決定されます。「市場」「顧客機能(顧客ニーズ)」「技術」の3次元です。
一方、本著では「空間の広がり」「時間の広がり」「意味の広がり」3次元を取り上げています。ドメイン定義において、エイベルにあった「顧客機能(顧客ニーズ)」の視点を抜かしてはいけないのではないかと思いますが、その一方で本著は「広がり」に注目したことで、ドメインの定義が広がりすぎることへの危険性も理解することが出来ます。企業の独自性が見えなくなるので、ドメインが広がりすぎるのも良いことではありません。往々にしてドメインを広く定義しすぎてしまうので、それに対する注意を喚起してくれるという意味では、本書のドメインの3次元についても納得できるものと言えるでしょう。
今年11冊目。