謝花直美『証言 沖縄「集団自決」』

謝花直美『証言 沖縄「集団自決」』を読みました。
 

 
沖縄タイムズの記事を再編成した本。
 
手榴弾を使った「集団自決」、日本軍による日本人虐殺の姿などは本著に譲るとして、指摘すべきは思想。悲劇の根幹にあるのは、やはり思想の問題です。
 
「敵に捕まるよりは自分たちで自決することが、天皇に対する忠誠であると信じ込まされてきた」(p.63)
 
かつて小田実が戦災下の大阪を振り返って言ったのですが、死は犬死です。死んだらそれまでなのです。後からそれを殉死だなんだと色を付けますが、それは死んでない人、死ぬ立場に無い人、誰かを死なせようとする人の言うことです。死んだらオシマイなのです。
 
死んだらオシマイ。
死は悲惨であります。
この思想をこそ、あらためて確立する必要があります。
死を美化する思想はびこる世の中なので。
 
今年90冊目。


 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *