野口旭『経済対立は誰が起こすのか』を読みました。
前に読んだ本の再読です。
日本版『良い経済学悪い経済学』といった感じの本。例示が日本なので、クルーグマンの本よりわかりやすいです。
ただ、国際収支表の部分でわからないところがあります。
別の本を入手して、わかるようにする予定。
さて、自由貿易をすることで、貿易する双方には全体として利益が生じます。むろん、双方にそれぞれ衰退産業が生まれるので、部分的には不利益が生じ得ます。
これを説明するのが比較生産費説ですが、人にこれを説明するのはやっかい。たぶん、途中で飽きられてしまいます。
理論的説明に代わる、いい例が載ってました。牛肉の話(P.136-7)。
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牛肉は輸入数量割当という保護貿易政策により、輸入量が少なく、割高な国産牛肉が市場をほぼ独占している状態でした。一般の人々はなかなか牛肉を食べられなかったそうです。
しかし、1991年に輸入数量割当から関税に移行され、徐々に自由化が進むことで、価格は下がり、牛肉は庶民的な食べ物になりました。
畜産業は確かに衰退産業化しました。でも、我々の食生活は保護していたときに比べて、格段に良くなったと言えるでしょう。
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これならよくわかりますね。いい例です。
ネタにしよう。
今年20冊目。