ワーキングプアについて少し考える

ワーキングプアを巡って、例えば非正規雇用をどうしていくのか等、いろいろと議論のあるところだと思いますが、問題意識をどこに持つのかは考えておくべきでしょう。
 
非正規雇用が増えていると。
じゃ、どうするかなんですが、ざっくりまとめると、以下の2つの方向性があると思います。
 
その1.非正規雇用の待遇を正規雇用並みにする。
その2.非正規雇用を正規雇用化する。
 
「その1.非正規雇用の待遇を正規雇用並みにする」というのは、前に新聞で竹中平蔵さんが主張していました。新聞は捨ててしまったので、残念ながら引用できません。確か、働き方も多様化しているので、常時働きたい人ばかりではないだろう。非正規雇用の労働条件、待遇を正規雇用並みにしなければならない、という議論でした。
私は少し違和感を覚えました。ライフスタイルとして常時働かない選択肢を選ぶ人も多いでしょう。しかし、問題の在りかはそこなのでしょうか。正社員として働きたいけど働けず、不本意ながらも契約社員とかに留まっているような人の存在をこそ、問題としなければならないのではないでしょうか。
 
そう考えると、「その2.非正規雇用を正規雇用化する」手だてを考えなければなりますまい。有期契約がもたらす不安定な状況を無くしていくと。企業にはコスト増になるわけで、景気後退のさなか、困難な舵取を迫られるでしょう。不況下、一時期議論された”ワーキングシェア”もあらためて検討されるべきでしょう。そうなると、労働者側も賃金減少をどこまで引き受けるのか、検討が必要です(その分、余暇が増えましょうが)。企業経営する人、働く人、どちらもが協力しあって、解決するべき問題であります。
 
実のところ、その1でも2でも、どちらから出発したところで具体的な処方箋に変わりはないのかもしれません。
しかし、どちらを向くのかは意識しておかないと、議論が変な方向に行ってしまうのではないかなあと思います。
 
“ライフスタイルの違いとして問題をとらえない。”
 
この視点は維持していきたいと思います。


 

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