マーク・ローランズ『哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン』を読みました。
オオカミの“ブレニン”と共に生活した哲学者が、その生活の中で愛や死や幸福を考察します。
我々はともすると、人間を特権的な地位において物事を考えてしまいますが、マーク・ローランズはブレニンと暮らす中で、人間が必ずしも特権的な地位には居ないこと、動物も含めて公平にとらえて考察するべきであることを論じていきます。
そんな中でも、ジョン・ロールズを批判し、従来の社会契約では排除されてしまう動物や弱者らも含めて契約論を立てようと論じた部分が面白い。この点については著書も書いているんですが邦訳出てないみたい。残念である。
オススメ。
今年32冊目。