小林多喜二『蟹工船 一九二八・三・一五』

小林多喜二『蟹工船 一九二八・三・一五』を読みました。
 

 
二編あります。
執筆時期は「一九二八・三・一五」の方が先です。
1928年3月15日に実際にあった大弾圧をもとに書かれています。当時の弾圧の模様が生生しく伝えられています。
 
「蟹工船」は有名な一遍。プロレタリア文学の代表作として国語や日本史で学びますね。
解説にも書いてありますが、
 
・蟹工船の現場
・“丸ビル”にいる会社の重役
・軍部
 
との関連を書き、なぜ蟹工船の現場で悲惨な状況が続くのかを明らかにするとともに、闘いに立ち上がる労働者を描きました。
 
かつてはこのようなことが起こっていたのだということを、くれぐれも忘れるべきではありません。大事なことを思い出させてくれた本であります。
 
あと、小林は小樽で育ったんですね。以前、私は小樽を訪れたことがあるのですが、知りませんでした。
 
今年5冊目。

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水上勉『飢餓海峡(上)(下)』

水上勉『飢餓海峡(上)(下)』を読みました。
 

 

 
1954年の洞爺丸事故をモチーフに書かれた小説。
いわゆる社会派推理小説で、敗戦後の日本の社会状況が描かれています。オススメ。
 
小説の舞台のひとつに亀戸が出てきます。
亀戸天神の周りは遊郭だったんですね。知りませんでした。今度散歩してみよう。
 
今年2、3冊目。

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島田荘司『上高地の切り裂きジャック』

島田荘司『上高地の切り裂きジャック』を読みました。
 

 
2編入っていますが、「山手の幽霊」のほうがよいです。
島田荘司らしく強引なトリックなのですが(タイミングがそんなに合うはず無いだろ!と突っ込みたくなりますが)、面白く読めます。
 
今年88冊目。

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