藤高和輝『バトラー入門』

藤高和輝『バトラー入門』を読みました。

バトラーの『ジェンダー・トラブル』の非公式ファンブックとして書かれている解説書です。
たまたま本屋さんで手に取って、立ち読み始めたら止まらなくなって、購入して一気に読んだ本でした。
内容は難しいのですが、読ませます。知的興奮を味わえること間違いなし。

多分難しくて挫折すると思うのですが、『ジェンダー・トラブル』も購入しました。楽しみです。

今年14冊目。

バジョット『イギリス国制論 (上)(下)』

バジョット『イギリス国制論 (上)(下)』を読みました。

英国の議院内閣制を論じた本。
翻訳的に、何箇所も改行したり補足を入れているところがありましたが、原文を損ねるので不要だったかも。
あと、Amazonレビューで誤訳の指摘が出ていました。読みやすくはあったのですが、ちょっと怪しいかもしれません。

今年24,25冊目。

谷川嘉浩『スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険』

谷川嘉浩『スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険』を読みました。

グサグサくる本です。
常時繋がっていて、たしかに孤立できていない。物事に集中できていません!自分を振り返る孤独の時間も持てていない!
結構単純な答えを求めてしまっている!
いかんいかん。
良い振り返りになる本だと思います。おすすめ。

今年19冊目。
※図書館で借りた本。

千葉雅也『現代思想入門』

千葉雅也『現代思想入門』を読みました。

新聞にも取り上げられたりして、期待していた分かなりいまいち。
特に得られるものはありませんでした。
一応このあたりの入門書に触れていたからかもしれませんが、そこまで持ち上げられるべき本でもないと思います。

今年16冊目。
※図書館で借りた本。

森まゆみ(編)『伊藤野枝集』

森まゆみ(編)『伊藤野枝集』を読みました。

伊藤野枝の創作、評論、随筆、書簡から成ります。
荒削りでみずみずしい文章。これから・・・というときに虐殺されてしまいました。

一番興味深かったのは「無政府の事実」です。無政府共産主義の理想について、「しかし私は、それが決して「夢」ではなく、私共の祖先から今日まで持ち伝えてきている村々の、小さな「自治」の中に、その実況を見る事が出来ると信じていい事実を見出した」(P.278)とし、村にあった「組合」による「自治」を説明していきます。1921年、1922年で「自治」を言っていたとはちょっとびっくり。他では村にあるコンベンション(因習)を否定しつつ、組合による自治の姿を村から抽出するという、そういう多角的な視点をも持った人でした。

他にも、子育てしながら雑誌の編集をしているようなところは極めて現代的ではないでしょうか。現代の女性が読んでも親近感持って読めると思います。

おすすめ。

今年1冊目。

ジッド『ソヴィエト旅行記』

ジッド『ソヴィエト旅行記』を読みました。

ジッドが何を見ているか、というところが参考になったと思います。
イデオロギーではなく、人々を本当に見ていたからこそ、こういうレポートを書けたのではないでしょうか。
おすすめの一冊。

今年10冊目。
※Kindle Unlimited

ヴォルフガング・シュトレーク『時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか』

ヴォルフガング・シュトレーク『時間かせぎの資本主義――いつまで危機を先送りできるか』を読みました。

難しいですが、翻訳者の鈴木直の解説が非常にわかりやすい。解説から読むと良いと思います。

はじめのところでアドルノとの共通点を上げていて、「たとえば、危機は最終的にはうまく収まるはずだといった信仰を、著者は直感的に拒否している。この点はアドルノも同じだったと思う」(P.8)と言っています。

いままで「時間稼ぎ」によって、危機が先延ばしされていて、危機が顕在化するというのを想像できなくなっているのが現在なのかもしれません。要はみんなで「なんとかなる」と思っている。環境問題もそうですよね。今までは地球が人間の営みを包含してくれていてどうにかなっていたわけです。でももうなんとかなるレベルを超えている。「なんとかなる」ではなく、「なんとかならない。だから、なんとかしなければならない」というように、そもそも思考を変えていかないと何も変わらないのだろうなあと思いました。

今年11冊目。
※図書館で借りた本。

斎藤幸平『人新世の「資本論」』

斎藤幸平『人新世の「資本論」』を読みました。

よくぞ書いてくださった、という本。
晩期マルクスの思想を掘り起こし、いまのアクチュアルな諸問題につなげて論じています。
<コモン>を再建する脱成長コミュニズムを目指せ、とします。
読んで自分はどう行動するかです。考えて行動します。

今年93冊目。

ドミニク・チェン『未来をつくる言葉: わかりあえなさをつなぐために』

ドミニク・チェン『未来をつくる言葉: わかりあえなさをつなぐために』を読みました。

自身のこれまでを振り返りながら、思索を広げていくという、なんといいますか、哲学・思考というのはこういうものなんだろうなあと感じる本。最近アートなお店でよく見かけたので、手にとった次第なのですが、ものすごく良かった。著者と一緒に思考する中で、今のこの分断の世界を変えるヒントが得られた気がします。

オススメ。

今年78冊目。
※図書館で借りた本。