東京新聞社会部(編)『新編 あの戦争を伝えたい』

 東京新聞社会部(編)『新編 あの戦争を伝えたい』を読みました。
 
 
 
 東京新聞で今に続く「記憶」シリーズの文庫化。素晴らしいの一言。さすがは東京新聞である。
 山の手空襲、在韓日本人妻の苦悩、東亜同文書院、インドネシア独立戦争に身を投じた日本軍「逃亡兵」など、恥ずかしながら本書で初めて知りました。戦時下の記者の姿についても書かれており、ジャーナリズムについても考えさせられます。
 戦争が無い状態。それはそれだけで価値があるものです。殺さず・殺されることのない世界は素晴らしい。しかし、ちゃんと調べてないけど、戦争の無い状態って、経験したことないんじゃないかしらん。今もどこぞで戦争は起こっているわけで。いずれにせよ、戦争を引き起こしてはならないと改めて思った次第であります。
 
 「私の本棚(厳選)」行き確定。オススメ。
 
 今年60冊目。

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黒島伝治『渦巻ける烏の群 他三篇』

 黒島伝治『渦巻ける烏の群 他三篇』を読みました。
 
 
 
 黒島伝治のシベリア出兵経験から書いた「シベリアもの」と呼ばれる反戦作品2点とそれ以外の作品2点です。
 表題作「渦巻ける烏の群」は、少佐の嫉妬と権力によって一中隊が全滅する様子を描きだします。
 これは名著だなあ。オススメ。
 
 今年57冊目。

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