ドキュメンタリー一覧(2009/4)

2009/4に観たドキュメンタリー。34編。
 
ラフに雑感を記しています。
敬称略。
 
NHKスペシャルが「細胞分裂」して新しいドキュメンタリーが生まれました。
 
NHK 追跡!AtoZ
NHK ワンダー×ワンダー
 
の二つです。毎週の楽しみが増えました。
 
今月見たもののベストは2つあって、1つは、
 
NNNドキュメント「貧困社会ニッポンの教育(2) 高校中退」(2009/3/8放送)
 
です。
高校中退が増えています。NNNドキュメントのHPより引用します。
 
 「埼玉県では、県立高校の20校余りで、卒業までの3年間に中退する率が30%を超えた。新入生26人のうち一年間に17人が退学したクラスもあった。」
 
もう1つは、
 
NHK ETV特集「鶴見俊輔 ~戦後日本 人民の記憶~」(2009/4/12放送)
 
です。
鶴見俊輔はまだまだ元気でした。こちらは保存決定。


■NHK ETV特集
放送倫理・番組向上機構(BPO)の意見書が公表されました(こちら。PDF直リンクです)。これをNHKがいかに受け止めるかがカギです。前にも述べましたが、検証番組を作成して自らを反省しない限り、NHKはダメでしょう。
 
NHK ETV特集「全身漫画家 ~真説・赤塚不二夫論~」(2009/3/29放送)
 ⇒色白の美少年で、トキワ荘では石森章太郎のアシスタントのような仕事をしていた赤塚不二夫が、ギャグ漫画家になって、売れて、今まで飲めなかったお酒を飲むようになり、言動が可笑しくなり、過激なパフォーマンスを行うようになっていきます。
 赤塚不二夫は漫画製作の方法も変わっていました。アシスタント入れて漫画を描いたり、漫画のアイディアも会議でブレーンと編集者が加わって考えていました。いろいろなアイディアをまとめ、ネーム入れしたのが赤塚不二夫でした。
 
NHK ETV特集「鶴見俊輔 ~戦後日本 人民の記憶~」(2009/4/12放送)
 ⇒鶴見俊輔の迫力がすごい。86歳とは思えません。怒って、笑ってと、話をする中で感情がストレートに伝わってきます。また話がわかりやすく面白い。聞く人のことを考えてしゃべっている。保存決定。
 
■NHKスペシャル
NHKスペシャル「沸騰都市のそれから」(2009/3/29放送)
 ⇒これは面白い。「沸騰都市」として取り上げられた世界8つの都市を金融危機が襲っています。ドバイでは、前代未聞の開発が行われていました。ロンドンでは、ロシア等からの新興国マネーと人材を取り込んで好景気に沸いていました。バングラディッシュのダッカでは、NGOの無担保融資で貧困層が劇的な成長を遂げていました。イスタンブールでは、イスラムパワーが拡大し高度成長を続けていました。これらの国々を金融危機が飲み込みます。
 去年5月のドバイと今のドバイ。株の下落率は76%!!ドバイに投じられていたマネーが引き上げられました。開発計画も見直しが行われています。建設機械も売りに出されていました。いろいろな国からの労働者もクビになっています。
 昨年5月のロンドンと今のロンドン。ロシア系企業からマネーを集められず、ウィンターフェスティバルは中止になりました。ロシア系企業のロンドン進出は止まっています。昨年5月の時点ではタクシン元首相の姿もありました。サッカーチームを持っていましたが、いまやロンドンに要られなくなり行方不明となっています。金融関係の3万人が失職したとされます。
 昨年6月のイスタンブールと今のイスタンブール。去年あった宗教をめぐる対立はおさまっており、不況が襲っています。職を失った人が釣りをしています。魚を釣って生活しているのです。トルコ経団連も、ヨーロッパ経済の落ち込みで打撃を受けています。国の債務も膨らんでいます。イスラム教の服のファッションショーも中止になっています。一方でイスラム金融の存在があります。利子を取らず、配当を支払うという金融の仕組みがあり、業績が上がらない間は利子に相当する配当を支払わなくてよいのです。イスラム金融を利用している企業が紹介されていました。
 昨年6月のダッカと今のダッカ。活気は変わっていないようでした。貧しいため海外マネーが入っておらず、金融危機の影響から逃れることができたとのこと。去年取材のあった縫製工場は拡大していました。しかし、金融危機前の米国からの注文が中心。世界的な消費の冷え込みで、注文が激減している工場もありました。
 イスラム圏との取引など、それぞれの都市のそれぞれの企業は金融危機を経て新たな展開を模索しています。その様子も描かれていました。
 
NHKスペシャル「シリーズ JAPANデビュー 第1回 アジアの“一等国”」(2009/4/5放送)
 ⇒台湾統治を中心に、植民地を持つことでアジアの“一等国”になろうとした日本を描く。途中で言われますが、日本が台湾の民族自立を認めていたら、その後のアジア諸国と日本との関係は完全に違ったものになっていたでしょう。
 
NHKスペシャル「象徴天皇 素顔の記録」(2009/4/10放送)
 ⇒「象徴天皇 素顔の記録」を撮り損ねた・・・。っていうか、何でいきなり金曜日に放映するかなあ。しかし、4/25(土)の昼間に再放送されていまして、たまたま見ることができました。途中からになってしまいましたが、皇太子時代の沖縄訪問は見ることができました。今の天皇が皇太子時代に初めて沖縄を訪問した際、ひめゆりの塔で火炎ビンを投げつけられました。その場面も放送されていました。ひめゆりを説明してくれた人を気遣いつつ、その後も予定通りに訪問行事を行っていきました。今の天皇は沖縄に関する本もたくさん読んでおり、記憶しなければいけない日の一つとして沖縄戦終結の日も挙げています。悲劇を真摯に受け止めて活動しているんじゃないかと推測します。
 親父の昭和天皇とはだいぶスタンスが違い、政治への関わりも避けています。皇室と政治の関係についても、「政治から離れた立場で国民の苦しみに心を寄せた」というのが「象徴にもっともふさわしいあり方である」とし、象徴天皇として未だ活躍しています。この点は評価されていいと思います。
 天皇の行事もなかなか面白い。橙色の衣装(といっていいのかな)は天皇しか着ることができないらしい。こういうのも勉強しないとあかんな。
 
NHKスペシャル「ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる」(2009/4/12放送)
 ⇒ヤノマミ族と同居し、その生活を追った力作。子供を精霊のまま返すとして、シロアリに食べさせてシロアリと一緒に焼くシーンは衝撃的でした。
 
■NHK 追跡!AtoZ
NHK 追跡!AtoZ「狙われる銀行口座」(2009/4/18放送)
 ⇒銀行口座が狙われています。口座が売買され、その口座が振り込め詐欺やヤミ金融に使われています。口座ひとつはそんなに高くはありません。しかし貧困から売ってしまう。口座が犯罪に使われてしまうと処罰され前科が付きますし、ブラックリストに載ってしまうので今後銀行で口座を作ることができなくなるといた可能性もあります。そのような危険性への無知も背景にはありそうです。
 銀行側の対策も進められています。みずほ銀行の先進的な取り組みが紹介されていますが、あまりにも数が多いので、十分な対策になっているかというとまだまだのようです。
 
NHK 追跡!AtoZ「無届け老人ホームの闇」(2009/4/25放送)
 ⇒無届けとなっている老人ホーム。実際に無届け老人ホームを訪れ、レポートしていました。一部屋に6人とか押し込められ、ベッド間の仕切りもありません。ベッドの脇に簡易トイレが置いてある部屋もありました。
 
■NHK ワンダー×ワンダー
NHK ワンダー×ワンダー「探検!脅威の結晶洞窟」(2009/4/18放送)
 ⇒地底深くに発見された結晶洞窟を探検します。水晶ではなく石膏でできた結晶の洞窟。今まで見たことの無い大きさの結晶群が画面いっぱいに広がります。すごい迫力でした。
 司会は山口智充さんと神田愛花アナウンサー。山口さんの軽妙なノリがよいです。神田愛花アナウンサーはすごい美人。こんなアナウンサーがNHKにもいたとはね。
 
NHK ワンダー×ワンダー「春節大移動 ~中国 世界最大の里帰り~」(2009/4/25放送)
 ⇒広州駅から故郷を目指す人々を描く。すごい人の数。いっせいに電車に乗って、故郷に帰っていきます。
 
■フジTV ザ・ノンフィクション
フジTV ザ・ノンフィクション「春休み特別企画 本仮屋ユイカ オーロラに恋して」(2009/3/29放送)
 ⇒というか、本仮屋ユイカかわいい。ファンになりました(はやっ)。ポニーテールが良いね。
 
フジTV ザ・ノンフィクション「生きるねん大阪 西成の女たち」(2009/4/5放送)
 ⇒西成に生きる女性たちを描く。
 
フジTV ザ・ノンフィクション「ばあちゃんと市長の青春 ~佐賀県武雄市の1年」(2009/4/12放送)
 ⇒佐賀県武雄市長の樋渡啓祐氏と、彼が担ぎ上げたおばあちゃんたちのグループ「GABBA」(がば)の活動を描く。
 
フジTV ザ・ノンフィクション「上京物語2009~ふるさとを離れる日~」(2009/4/19放送)
 ⇒上京する地方の若者とその家族を描く。
 
フジTV ザ・ノンフィクション「ねこ島便り~島民80人 猫100匹~」(2009/4/26放送)
 ⇒宮城県石巻は田代島の民宿・はま屋の夫婦を中心に、猫で島興しを図る人々を描きます。
 
■NHK きらっといきる
NHK きらっといきる「感動するな笑ってくれ!~お笑いコンビ・脳性マヒブラザーズ~」(2009/4/3放送)
 ⇒司会が山本シュウさんと玉木幸則さん、小林紀子さんに代わりました。番組はがらっと変わりました。HPも一新されましたね。今回はお笑いコンビ・脳性マヒブラザーズがゲスト。番組の作りも変わりましたね。周りの捉え方も描いている。今回であれば、周りの芸人達の声・意見も番組で取り上げられていました。
 ・・・小林紀子さんは40歳でしたか。若いなあ。
 
NHK きらっといきる「あぁ なかなか伝わらない・・・~木村善男さんとヘルパーの日々~」(2009/4/10放送)
 ⇒ヘルパーの人といかにコミュニケーションをとって、物事をお願いしていくか。その困難さが伝わってきます。なかなかうまくヘルパーとコミュニケーションできずにイライラする木村さん。ヘルパーも10人くらいの人を看ているので、なかなか覚えられません。なので、細かく言った方がヘルパーにとってはいいらしい。木村さんは、自分がしてほしいことだけではなく、なぜしてほしいのかを伝えるようにしました。
 
NHK きらっといきる「”すれ違い”からはじまったけど・・・~聴覚障害・私たちのシューカツ~」(2009/4/17放送)
 ⇒就職活動に向かう聴覚障害者を描く。
 
NHK きらっといきる「わたし ミスしてしまうんです~発達障害・真山千秋さんと当事者の会~」(2009/4/24放送)
 ⇒発達障害のひとつであるADHDの真山さん。ADHDとは、「自分をコントロールする力が弱く、それが行動面の問題を引き起こすという障害」であり、
 ・集中力、注意力に欠ける。
 ・じっとしていられない。しゃべりすぎる。
 ・とつぜん何かをしてしまう。
 という特徴があります。
 
■NNNドキュメント
NNNドキュメント「どすこい!山本君 140kg小学生と大きな夢」(2009/4/5放送)
 ⇒相撲に励む山本君の姿を描く。うーん、相撲に強い中学校に行って、そこで相撲を学ぶべきだったのでは。
 
NNNドキュメント「貧困社会ニッポンの教育(2) 高校中退」(2009/3/8放送)
 ⇒高校を中退する子供たちが増えています。どんな状況なのか。NNNドキュメントのホームページから引用します。
 
 「埼玉県では、県立高校の20校余りで、卒業までの3年間に中退する率が30%を超えた。新入生26人のうち一年間に17人が退学したクラスもあった。」
 
 このような状況について、青砥恭(あおとやすし)先生が高校生に聞いて回ります。
 それと、涙ながらに訴える子供たちに対して、「自己責任が原則」とし、それがいやだったら「国を出るしかない」と強弁する橋下大阪府知事は今すぐ辞めてほしい。大きい声を出せばいいってものじゃないでしょ。
 
■テレビ朝日 テレメンタリー
テレビ朝日 テレメンタリー「責任の所在 ~耐震偽装事件で行政に初の判決~」 (2009/3/24放送)
 ⇒センターワンホテル半田の行政との戦いを描く。結果としてホテル側が勝訴したのですが、愛知県は名古屋地裁判決に不服として控訴し、戦いは続いています。
 
テレビ朝日 テレメンタリー「ちるみゅーの逆襲 平成大合併10年の通信簿」 (2009/3/31放送)
 ⇒合併促進の特例債(合併特例債)に踊らされ、ハコモノがいくつも建てられました。兵庫県篠山市はいまや借金に負われています。篠山チルドレンズミュージアムも指定管理者制度となり、予算が大きく削られることになりました。そんな中で館長の森岡武はちるみゅーを変えていこうとしています。
 
■TBS ドキュメント・ナウ
TBS ドキュメント・ナウ「悲劇 東京大空襲と南の島」 (2009/3/17放送)
 ⇒証言で東京大空襲を綴ります。「焼け野原を見たとたん 絶望のどん底に落ちた」という言葉がありました。戦争はしてはなりません。
 
TBS ドキュメント・ナウ「激安店 赤字覚悟の裏には」 (2009/3/24放送)
 ⇒赤字覚悟の激安店をレポートします。
 
TBS ドキュメント・ナウ「アイディアで 廃品を見事復活」 (2009/3/31放送)
 ⇒新聞紙バッグは考えましたなあ。アイディア商品の誕生です。
 
■テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言
テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「昭和史最大のスクープ “男装の麗人” 川島芳子は生きていた!」(2009/4/13放送)
 ⇒ホントだとすると大スクープですね。残念ながら科学捜査の結果はグレー。放送を見る限りでは川島芳子は生きていたように見えますが。
 
テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「今日の洋子は明日いない ~消え行く妻の記憶 第二章~」(2009/4/20放送)
 ⇒長門裕之・南田洋子夫妻を描く。
 
テレビ朝日 報道発 ドキュメンタリ宣言「鳥越俊太郎の”遺言” ~ガンとともに生きる~」(2009/4/27放送)
 ⇒ガンと闘う鳥越俊太郎を追います。
 
■TBS 水曜ノンフィクション 関口宏モトをたどれば
「スポーツ英才教育の最前線」(2009/4/15放送)
 ⇒スポーツの英才教育の現場を追う。挫折しても落伍者というわけではない。二宮清純の発言は重要です。
 
「父から子へ 北朝鮮の実像」(2009/4/22放送)
 ⇒北朝鮮を金日成から振り返ります。
 
「教師はいま…」(2009/4/29放送)
 ⇒教師の自殺。学級崩壊。現在起きている問題を歴史的に振り返ります。最後に、徳島にある小中併設校である伊座利校の様子がレポートされています。集落の入り口に伊座利校の校門がある。集落全体で小学校を支えていこうとする姿勢の現われです。都会の学校でもこのように“周りが支える”といったような取り組みが必要なのだろうと思います。
 
■NHK ゆうどきネットワーク
○2009/4/1
 ⇒僧侶の派遣サービスがあります。地方のお寺の経営が厳しく、都市に出てきて派遣で僧侶の仕事をします。お葬式とかに行くわけですな。
 睡眠障害についても取り上げられていました。
 
■そのほか
○「拝啓 旅立つ君へ~アンジェラ・アキと2000通の手紙~」(2009/3/27放送)
 ⇒アンジェラ・アキの「手紙」はNHKの全国学校音楽コンクールの合唱課題曲でした。アンジェラ・アキのもとに中学生からの手紙が届きます。
 中学生のときの合唱には思い入れがあります。私は指揮者でした。亡くなった祖父の写真の前で指揮の練習を繰り返していたことを思い出します(祖父の写真が額に入っていて、私が指揮をすると映り込んで鏡のかわりになったのでした)。指揮者をやったおかげで上がり症を克服できました。中学校には指揮者に与えられる賞があって、3年生のとき次席の賞をもらったことを思い出します。私は今も背が低いのですが、背が低いなりにも当時は成長期にあって、制服が小さくなっていました。指揮をするには窮屈な制服。お金にあまり余裕のない親に頭を下げて、ちょっと大きい制服を買ってもらいました。卒業が見えているのに制服を買い直すというのは、余裕のない我が家にとって大きい判断だったと思います。フィットする制服で指揮をすることができ、そのおかげかどうかはわかりませんが、賞をいただくことができました。うれしかったなあ。

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