藤原保信『自由主義の再検討』

 藤原保信『自由主義の再検討』を読みました。
 
 
 
 久々の再読であります。サンデルを読んだので、政治哲学の復習として読みました。
 
 タイトルにあるように、自由主義について再検討を加え、コミュニタリアニズムに向けた展望を語ります。社会主義についてかなりのページが割かれていますが、もっとリベラリズムとコミュニタリアニズムにページを割いた方がよかったのではないかなあ。
 本書についてはサンデルについて書いた記事を参照ください。
 
 さて、最後に一点、議会制民主主義について、藤原保信は以下のように言っています。ニューヨークのウォール街占拠など、直接民主主義の動きが出てきており、それはそれで評価できるものでありますが、議会制民主主義の以下のメリットは忘れてはなりますまい。
 
 「人のコントロールを超えた専制政府は、権力の濫用という点で最悪の政治に転ずる危険性をもつ。この点において、政権交代が可能な複数の政党をもつ議会制民主主義のひとつのメリットは、最悪の政府の出現を回避するということにあるといえる。つまりここでもそれは、最高の政治を実現するものとしてよりも、最悪の政治を阻止するという点にその存在理由があるといえる。」
 
 今年3冊目。

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正義についてーサンデル『これからの「正義」の話をしよう』に寄せて

 サンデル『これからの「正義」の話をしよう』を読みました。
 ”JUSTICE What’s The Right Thing to Do?”というタイトルがなんでこんなへんてこな日本語タイトルになるのかよくわかりません。うーん。
 
 
 
 大学のころ、「正義論」について学んだことを思い出します。
 サンデルは最近注目されていますが、もともと現代政治哲学の分野では、いわゆる「コミュニタリアン」の一員として有名でした。本書中によく「負荷なき自我」という言葉が出てきますが、藤原保信『自由主義の再検討』(岩波書店,1993年)にサンデルの「負荷なき自我」について説明があったりします(p.173-)。
 
 サンデルは、思想・理論を使いつつ、具体的な場面でいかに考えるべきかを論じていきます。欧米の事例がベースではありますが、我々にとってもなじみやすい事例が多く、サンデルやサンデルが紹介する思想家たちと一緒に、読者である我々も考えを進めていくことができます。サンデルが最終的にたどり着くのは、コミュニタリアン的な考え方なのですが、それも押しつけではなく、「こういう場面を考えると、こうした考え方がベストではないか?読者はどう考えるのだ?」と問いかけてくるようです。
 サンデルは、善について各人がどう考えるかを表明しあい、議論しあうことでしか正義についての議論も進んでいかないとします。ちなみに「善」とは「個人の正の究極目的にかかわり、『いかに行きるべきか』という問いに対する回答として与えられるもの」(藤原,前掲,p.161)です。サンデルのあの独特な大学の講義も、そうした思想の実践であるのでしょう。「ゼミでやればいいじゃん」と私などは思いますが、昨今のサンデルの取り上げられ方を見ると、講義に対話形式を導入することで社会にインパクトを与え、対話形式で正義や善を考えていくことの重要性を社会に広めることに成功したのではないかと思います。
 
 私としてどう考えるかですが、コミュニタリアン的な考え方の問題点として、「特定の価値観の押しつけ合いにならないのか?」という点が疑問としてあげられます。この点については、対話し議論することで押しつけ合いは回避され、よりより正義にたどり着く、というのが答えなのかもしれません。しかしこのような対話はどのように成立するものなのでしょうか。サンデルは例として挙げてないですが、たとえばイスラエルの問題。ユダヤ人とパレスチナ人との間にどのような対話が成り立つのでしょうか。こういうところにおいては、善の問題はそれぞれの民族に任せておいて、ロールズの正義の原理などを使って(この場合は聖地に対する「公正な機会均等原理」でしょうか)、ともに生活することができる権利と義務をまとめていくしかないのではないか、と考えます。
 善を考える上で前提となる「善の原理」みたいなものが必要で、それを考えるためにはいったん善をおいておいて、原理的にルールを考えるというリベラリズムの手法が必要なのではないでしょうか。そういう風に考えると、リベラリズムの原理を土台として善について対話を重ねる、というのがよいのではないかと思います。
 で、そんなリベラリズムの原理とは何か?
 ずばり「寛容(tolerance)」でしょう。
 これこそ原理ではないでしょうか。異文化、他者に対する寛容なくては対話議論も始まらないのです。
 
 今年2冊目。

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植木理恵『フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学』

 植木理恵『フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる心理学』を読みました。
 
 
 
 心理学の入門書。
 実験例やいろいろな研究者の研究が紹介されていたりして、かなり本格的ではではないでしょうか。
 
 普段の生活にも役立つかと思います。辞書的にも使えるでしょう。
 オススメであります。
 
 今年1冊目。

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「税と社会保障の一体改革」素案について

 「税と社会保障の一体改革」素案が報道されています。
 
 社会保障政策の維持と財政健全化に必要な政策であります。消費増税のみならず、高所得者層に対する所得税の増税や、低所得者対策も盛り込まれており、ある程度は評価できるのですが、以下の2点がひっかかります。
 
 ①目標達成できないの?
 
 2012年1月7日付けの朝日新聞朝刊によると、政策に基づいて増税したところで、2015年度にGDPに対する国と地方の赤字割合を半減させる目標には届かないそうなのです。2010年度6.4%を2015年度3.2%にする目標がありましたが、増税時期の遅れにより達成が不透明になっています。目標あっての政策でしょう。「2015年度半減」を目標とするならば、その目標を達成するための政策が必要です。増税時期を早めるなど、対応が必要です。
 
 ②無駄遣いの削減と、財源の組み替えの話はどこいった?
 
 次年度予算案では、整備新幹線の予算が計上されたり、八ッ場ダム建設再開したりと、大きなハコモノ予算が復活しています。こういう予算を切り詰めて「人」に回す、という民主党のマニフェストはどこに行ってしまったのでしょうか。無駄遣いを無くし、財源を「人」に関わる方に組み替えることもしていかないと、増税には納得できないのです。
 もし組み替えが無理なんだったら、なんで無理なのか、どこでひっかかってしまったのか、そもそも何でマニフェストに掲げていたのか、マニフェストはどのように作成されたのか、といった「反省」と市民に対する「説明」が必要です。その上で、政権党として今後どうするのか(信を問うために選挙するとか)を決めて、行動していくべきです。
 ここらへんが整理つかないと、増税への納得感が薄れてしまい、増税反対の世論となり、またまた増税できないままに政権崩壊、選挙ではどの党も増税を打ち出せずに問題だけが先送りされる、といった最悪の事態にもなりかねません。
 
 以上2点がどのように今後議論されていくのか、注目して行こうと思います。

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Pomera(ポメラ)DM100購入

 ポメラDM100を購入しました。
 
 
 
 良いです。
 最近アウトプットをちゃんとしていないなあと反省しておりまして、何かいいツール無いかと探しておりました。ふつうのメモ帳でもいいのですが、キーボードの方が楽だし、早いしということで、キーボード付きのデバイスを探しておりました。
 
 競合となったのが、NEC Life Touch NOTEです。
 
 
 
 Android端末だけに、いろいろと出来そう。直接Evernoteに書き込みできたり、ブログ投稿できるのも素晴らしいです。しかし、
 
 ×電池が持つ時間が短い。
 ×ちょい重たい。
 ×中途半端である(スマートフォン持っているし)。
 
 という点から却下。ポメラにしました。
 
 ポメラも種類がいくつかあります。折り畳むことの出来るタイプが有名ですが、折り畳むだけに分厚くなってしまいます。その点、最新のDM100は、薄いですし、以下のような特徴がありました。
 
 ○かっこいい。
 ○Bluetooth使える。スマートフォンの外部キーボードになる。
 ○カレンダー機能がある。
 ○国語・英和・和英辞書が付いている。
 ×高い・・・
 
 高いのはヨドバシカメラの保有ポイントをすべて吐き出すことで対処し、思い切って購入しました。昨日今日と使ってみた感想です。
 
 テキスト打ちが非常にしやすいです。キーボードはぺたぺたした感触ではありますが、それなりにしっかりしていて打ちやすい。電池を入れるところが膨らんでいて角度が付いているんですよね。斜めになっているので、打ちやすいです。この記事もポメラで書いているのですが、鞄からさっと取り出してさくさくっと書くことができるスピード感もたまりません。パソコンだとこうはいきませんからねえ。
 
 なにげに便利なのがカレンダーです。
 仕事の打ち合わせメモをとるのにも使ってみましたが、タスクの期日などを確認するときに、ワンボタンでカレンダーを呼び出せるのがすごく便利です。
 
 テキストファイルを外に出すために、QRコード出力も試してみました。少しの文書で何枚ものQRコードが出力されます。私の持っているフィーチャーフォン(ふつうの携帯電話)のQRコードリーダーは、何枚ものQRコードを順々に読みとってまとめてコピーすることができるのでそれほど苦労はしませんでしたが、スマートフォンに入れているQRコードリーダーアプリは順々に読みとることができなかったので、かなり大変でした。別のQRコードリーダーアプリに変えてみるかな。
 
 Bluetooth機能はファイル送信を試してみました。
 MacBook Airと簡単にペアリング出来、ファイル送信出来ました。かんたんかんたん。私のMacは英語化しているので、文字化けとの格闘が少しありましたが、問題なくファイルゲット出来ました。
 
 オススメの文具であります。
 アウトプット不足している人、いかがでしょうか。

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01/06のツイートまとめ

rutoruz

ジョギング終わりー。 #fb
01-06 23:17

さっきの間違えた。show interfaceよりももっと情報欲しい場合はshow controllersを使うと。スイッチのCisco IOSで確認するときはshow controllers ethernet-controllerコマンドでした。
01-06 01:34

Cisco Catalystスイッチのトラブルシューティングの参考に。http://t.co/S7podrNV #fb
01-06 01:29

show interfaceよりももっと情報欲しい場合は、show controllersコマンドを使うようだな。スイッチのCisco IOSでは、show counters ethernet-controllerコマンド。 #fb
01-06 01:26

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01/05のツイートまとめ

rutoruz

ジョギング終わりー。 #fb
01-05 23:29

2012年からはじめたこと。その1 家計簿付ける。その2 日経ビジネス購読。月に読まなければならない雑誌が5冊に増えたわけだが、積読にならないようにしよう。週末に行く喫茶店で必ず読むようにすればいいかな。 #fb
01-05 21:09

OCN家計簿良くできている。オススメです。http://t.co/RkdTsOMw #fb
01-05 21:08

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01/03のツイートまとめ

rutoruz

新年初めてのジョギング終わりー。 #fb
01-03 22:27

去年の1月から「あしながさん」(あしなが育英会 奨学金継続支援)になったのですが、高校生から近況報告の年賀状が来ました!なかなかうれしいね。 #fb
01-03 22:26

@master_q 自宅からHaskellダウンロードページに行ってみましたが、なんとアクセスできました!なんだったのかしらねえ。
01-03 21:42

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