カミュ『ペスト』を読みました。
久々の再読。
ペストは急に発生し、なぜか急に無くなっていきます。そしていつかまた復活しうることが匂わされて終わります。
誰かによってペストが駆逐されるといった劇的な展開は何もない、簡潔な文体によるリアリズム小説です。
今読んで違和感があるのは、ペストのさなかでもカフェとか映画をやっているというところでしょうか。
また、ペストが去って街が開放されるときに歓喜が押し寄せます。
今や、コロナ対策でシャットダウン状態ですし、コロナが去ってもおそらく前の生活には完全には戻れないでしょう。もう大丈夫だ、という歓喜が押し寄せてくるイメージは持てません。
照らし合わせるに、今のこのコロナの状況はとんでもない事態なんだなあと、改めて思い知らされました。
今年31冊目。