雲取山~初めてのテント泊・初めての救助~(二日目)

 雲取山~初めてのテント泊・初めての救助~(一日目)の続きです。
 ついに事件は起こったのでありました。
 
 2013/9/29(Sun)の5時に目覚める。
 雲取山荘によると、日の出の時刻が5時半頃とのことでしたので、準備して外に出ます。雲取山荘からの眺めはなかなかなのですが、山荘の下に雲海が出ており、朝焼けして美しかった。しばらく待つと日の出となりました。
 
 20130928-29_雲取山
 
 きーれーいー。
 
 ↓続き読んでね。


 日の出を楽しんだ後はテントに戻って朝食です。お湯を沸かしてアルファ米を戻して、お味噌汁と一緒にいただきました。
 
 20130928-29_雲取山
 
 朝食後はテントをたたんで、隣のおばちゃんグループに挨拶して、山荘前で準備運動します。山荘はすでに静まり返っていました。もうすでに皆さん出発されたんでしょうね。私の出発は7時過ぎになりました。かなり遅いほうです。帰りは三条の湯経由でお祭バス停から帰ろうと思っていました。2013/9/29は国体が開催されており、奥多摩でロードレースをやっていました。早いバスに乗ったところで途中で足止めされてしまいます。そのため、14時台のバスでお祭から奥多摩駅に変える計画を立てたのでした。朝ゆっくりできました。
 
 山荘から雲取山頂までは登り。30分くらいで山頂に到着。
 絶景が広がっていました。
 
 20130928-29_雲取山
 
 雲海の先に見える富士山。美しい。なんで雲取山と呼ばれるのかがわかった気がします。
 
 20130928-29_雲取山
 
 ずーーーっとその場にいたかったのですが、そういうわけにもいきません。山頂からの雲海と富士山を楽しんだ後に下山を開始しました。まずは三条ダルミまで下ります。かなり急な道でした。三条ダルミ着。登山者と出会いました。子鹿がいたので、登山者のおばちゃんと一緒に見る(動きが早くて写真はうまく撮れず)。
 
 20130928-29_雲取山
 
 富士山の眺めもなかなかでした。雲かかっていましたが。
 
 20130928-29_雲取山
 
 水無尾根を下る。そんなに急な道ではありませんでした。木々の中をどんどんと下っていきます。木が倒れていて通りにくい箇所が一箇所ありました。注意書きも無かったですし、回り道のふみ跡を見ても、ごく最近倒れたっぽいですね。
 
 20130928-29_雲取山
 
 少し道に迷うところもあるのですが、下の写真のようにリボンで道がわかるようになっています。ありがたい。
 
 20130928-29_雲取山
 
 三条の湯が近づいてきました。
 
 20130928-29_雲取山
 
 三条の湯に到着。三条ダルミから休憩入れつつ2時間かかりました。
 
 20130928-29_雲取山
 
 小屋ではコーラが売っていたので飲む飲む。おいしーい。左足の小指が痛くなっていたので、絆創膏を張るなど、体のメンテナンスをしつつ、ゆっくりと休憩を取りました。三条の湯は温泉があるんですよね。いつかここでテント泊したいなあ。場所が微妙なので、初日はただ泊まるだけにして、翌日は飛龍山、翌々日は雲取山、といったコースがいいかもしれません。
 
 三条の湯を出て、後山林道までの山道を下っていきます。道はしっかりと整備されていました。ところどころ工事中でした。ここらへんは東京都の水源らしく、整備が整っているようです。
 
 20130928-29_雲取山
 
 林道に出ました。ここからは単調な道が続きます。
 
 20130928-29_雲取山
 
 下りはまあいいですけど、登りはつらいかも。単調な道を登るのはなかなか大変です。私の場合は二日目の下りだったので、一泊二日登山の整理体操をしているような感じで、林道をたんたんと下っていきました。しばらくして両足の靴とあたっているところが痛くなってきました。うーん、原因は靴なのか姿勢なのか、カイゼンの余地がありそうです。
 
 トレッキングステッキを活用して、(私としては)かなりの勢いで下っていきました。2つのグループを抜かして、どんどんと下っていって、よーしあと1時間でお祭バス停だぞ!と思っていたら・・・事件が起きたのであります。
 
 後山林道は以下のようなイメージです。山の崖があって、その下を林道が通っていて、そこを歩きます。後山川と崖もあります。
 
 後山林道(てくてく)
 
 てくてくと歩いていましたら、右の崖から、いきなり人の手が出てきたのです。すぐに男性の顔も現れました。以下のようなイメージです。
 
 後山林道(事件)
 
 人間というのは、あまりのことがあると対応できないものですね。私はいったい何が起きているのかわかりませんでした。あー、クライミングでもしているのかなあーと理解し、歩みを進めようとしてしまいました。そしたらその男性が、
 
 「た、助けてください・・・」
 
 とかすれ声で言ったのであります。なにー!助けを求めていたのかいなー!!
 
 その人のもとに駆け寄って、手を引っ張って何とか林道まで引き釣り上げました。
 
 見てみると、泥んこだし、頭の辺りに虫が飛びまわっているし、ひざはざっくりと切れているし、腕とかひじとか足とか擦り傷だらけで血だらけだったのでした。まだ若い男性。トレイルランニングの格好をしていました。怪我はしていましたが、不幸中の幸いで頭とかは打ってなかったらしく、元気そうだったので、事情を聞いてみたところ・・・。
 
 ・道に迷った。
  ↓
 ・クマに出会った!!!
  ↓
 ・後ずさりして静かに逃げようとしたが、足を踏み外してしまって崖から落ちてしまった。
 (後山川の、後山林道側ではなく逆側の崖から落ちた模様)
  ↓
 ・クマから逃げるために後山川を渡り、林道に車が走るのが見えたので、なんとか林道まで出て助かろうと、崖をよじ登ってきた。
 
 という状況だったようです。大変でしたなあ・・・。
 
 元気そうだったのでしばらく一緒に下っていきましたが、軽く手当てしようということになって、持っていたマキロンから包帯から何から拠出しまして、とりあえずの応急処置を完了しました。トレイルランニングだとあまり装備を持てないようで、応急手当グッズを持っていなかったのです。応急処置を完了して、しばらく雑談しながら道を下っていき、お祭バス停に到着しました。
 
 20130928-29_雲取山
 
 お祭バス停にはお祭荘があります。怪我した彼は救急車を呼ぶことになりました。ほかの下山者も集まってきました。皆さんクマには会ったことが無いらしく、話題となったのでありました。
 
 救急車到着。救急車は少しその場にいましたので、その場で手当てを受けたのかもしれません。しばらくして怪我した男性を乗せて去っていったのでした・・・。
 
 こういう救助の経験は人生初でありました。地獄で閻魔様に言って、罪を減免してもらうネタにしよう。
 
 お祭からのバスには座ることができ、奥多摩駅まで爆睡。奥多摩駅からホリデー快速を利用しつつ、市川に帰ったのでありました。
 
 初めての一泊二日、初めてのテント泊に、初めての救助経験と、初めてづくしでした。テントが重くて体力を奪われたので、重い荷物を背負っても大丈夫なように体を鍛えないといけないな。
 
 またテント泊するぞ!!

One Reply to “雲取山~初めてのテント泊・初めての救助~(二日目)”

  1. 初めまして。
    私は鴨沢からは一度も登った事がないので様子がわかって楽しめました。ありがとうございます。
    ブログのレポ、わかりやすくて写真も綺麗ですね。
    文章も上手ですね。
    テントは布1枚で少しの物音でも聞こえますね~。
    でも自然と一体感という感じですね。星もすぐに見えますしね。
    熊には会いたくないですね。
    救助の様子の絵もわかりやすいですね。
    怪我されて方も藁をもつかむ感じでいたんですね。
    るとるさんの人助けはこれから、何かの時に幸福となってかえってきますよ。きっと・・・お疲れ様でした。
    これからもテントライフを楽しんでくださいね。

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