森達也「A」

ドキュメント映画、森達也の「A」を観ました。
オウム真理教を内部から撮った作品。1998年公開。
 
この映画の存在は知りませんでした。森達也『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』で知った次第であります。TSUTAYAでレンタルしました。
 
オウム真理教の荒木浩広報副部長(当時)を中心に、オウム真理教信者を撮っています。
オウム側から日本社会にレンズを向けており、オウムに対するマスコミの態度(はっきり言って傲慢)や、警察による不当逮捕も撮られています。不当逮捕のシーンは、安物のドラマを見ているようでした。警察とオウム信者の稚拙なやりとりがあり、警察官がオウム信者を倒すのですが、公務執行妨害(警察官に3週間のケガ)とされます。どうみてもケガしてないのですが、起訴寸前まで行きます。法の下にある警察のおかげもあって社会は治安を守られているのですが、いったん警察から目をつけられると、集団や個人は簡単に侵害されるのです。改めて警察の怖さを思い知った次第。
 
一方、森達也もオウムには厳しく、事件について荒木浩広報副部長を問い詰めます。
しかし、この映画の時点では、荒木は事件をはっきりと認めきれていません。麻原への帰依も変える様子はありませんでした。
 
とはいえ、荒木に始まるオウム信者たちはいたって普通の人々。みんな気さくです。
最後のシーンは荒木がおばあちゃんに会いに行くシーン。普通の若者です。
このような気さくで普通の人々が、集団となって何かを信じきった時にあの事件は起こりました。何よりもそれが一番恐ろしいことであります。
 
集団の中ではわれを忘れてしまい、大義をもって集団外の人を敵視し憎悪してしまいます。しかしそこではたと立ち止まって、集団外の人のこと、他者ひとりひとりのことを想う姿勢を忘れないように、常々気をつけて行動しないといけないのでしょう。・・・と改めて思います。

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吉田時善『地の塩の人-江口榛一私抄-』

吉田時善『地の塩の人-江口榛一私抄-』を読みました。
 
池袋サンシャインで開催されていた古本市で見つけた本。
江口榛一は「地の塩の箱」運動の創始者として有名です。駅に木の箱が置いてあり、誰でもお金を入れられ、誰でもそのお金を使うことができるという相互扶助運動でした。ついこの間まで、JR錦糸町駅の改札口にも置いてありました。いつの間にか取り去られてしまいましたが。
 
江口榛一、梅崎春生ら、戦後すぐの文学者たちの生活が良く伝わってくる本。江口が「地の塩の箱」運動に入り込む前までの話が中心です。そこがこの本の魅力でもあり、難でもあります。
 
今年92冊目。

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金曜プレステージ 文化庁芸術祭参加作品「泣きながら生きて」

今日、フジテレビで放映されていました。
 
35歳にして来日した丁尚彪さんとその家族のドキュメンタリー。上海、東京、ニューヨークと、別々の生活を送る三人家族。それぞれの想いを抱えながら、生きていきます。
 
非常に良かった。
この番組を観たことは忘れまい。

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