阿部ねり『安部公房伝』

 阿部ねり『安部公房伝』を読みました。
 
 
 
 高校生のときに、私の周りで安部公房が流行りまして、小説は安部公房しか読まない!といった同級生も現れる始末でした(ああ、A君とA君、元気でしょうか)。ワープロ使って小説書くことについて、みんなで(3人で)論じあったりと、なかなかアツかったなあ。なつかしい。
 
 言語論の部分が浅く、全集からのインタビューが1/3程度含まれているなど、内容的にはちょいと残念。他の作家との交流の部分はもっともっと書けたのではないでしょうか。
 
 今年31冊目。

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宮部みゆき『蒲生邸事件』

 宮部みゆき『蒲生邸事件』を読みました。
 
 
 
 二・二六事件が舞台のサスペンス。良かった~。さすがは宮部みゆきだ。
 
 ちなみに「二・二六事件」は“にーにーろくじけん”です。“にーてんにーろくじけん」ではありません。そもそも「・」は“なかぐろまる”であって、“てん”ではありませんし。大学のころ教授に叱られた記憶があります。
 
 あと、光文社新書版だと裏表紙に「歴史の傍観者たちのあと知恵姿勢に強烈な批判を加えた」とあります。しかし、歴史の審判というのはそういうものです。あと知恵で批判されうる、あとあと批判されたときに耐えうるのかどうか、ということを念頭に置きつつ、今・ここで活動をしていくべきなんだと思います。
 
 今年54冊目。

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