井上ひさし『組曲虐殺』

 井上ひさし『組曲虐殺』を読みました。
 
 
 
 井上ひさしの最後の戯曲。
 ETV特集の「あとにつづくものを信じて走れ~井上ひさしさんが残したメッセージ~」を観て、読んだ次第であります。
 コメディタッチでありながらも、時代の暗さを映し出しつつ、それでも「あとにつづくものを信じて」走り続けて死んだ小林多喜二と、その周りの人々の生き様が描かれています。
 
 今年52冊目。

Continue reading “井上ひさし『組曲虐殺』”

パトリック・モディアノ『暗いブティック通り』

 パトリック・モディアノ『暗いブティック通り』を読みました。
 
 
 
 時代背景がよくわからない・・・。スイス越境はなんでやろうとしたのでしょうか。
 少し調べたのですが、不明でした。うーん。またこんど調べてみよう。
 
 今年41冊目。

Continue reading “パトリック・モディアノ『暗いブティック通り』”

ハ・ジン『すばらしい墜落』

 ハ・ジン『すばらしい墜落』を読みました。
 
 
 
 ニューヨークのクィーンズ区にあるフラッシングというチャイナタウンを舞台にした、現代の中国人移民たちの物語です。
 生き直すこと、やり直すことへの希望が見つかる素晴らしい短編集。オススメ。
 
 今年34冊目。

Continue reading “ハ・ジン『すばらしい墜落』”

ヴィルヘルム・ゲナツィーノ『そんな日の雨傘に』

 ヴィルヘルム・ゲナツィーノ『そんな日の雨傘に』を読みました。
 
 
 
 現代ドイツ文学。靴の試し履きを生業とする男が、街を歩き、人と会い、周りを見つめます。
 夏祭りの中、自宅のベランダに隠れ家作る少年を眺めるラストシーンが印象的。少年は翌日おそらく学校に行っています。少年も社会からは逃げられない。しかし、祭りの後も母親は少年の隠れ家を壊さないのです。家に帰ってくれば隠れ家が少年の逃げ場所として存在している。逃げ場所は作れるし、守られうる。そこに「逃れられない出来事のただなかにいながら逃れる」(P.189)希望が見つかりそうです。
 
 オススメ。もっと翻訳でるといいんだけどなあ。
 
 今年33冊目。

Continue reading “ヴィルヘルム・ゲナツィーノ『そんな日の雨傘に』”