岡嶋二人『99%の誘拐』を読みました。
新千歳空港で購入し、飛行機待ち時間+帰宅までの時間で読み終えました。
傑作傑作。
ただ、どうしても時代の制約は免れません。コンピュータを使った犯罪なのですが、描写が古く感じますね。パソコン通信の話が出てきます。私はかつてパソコン通信を少しだけやったことがあるので”シスオペ”と書いてあるとピンと来ますが、最近の若者はどうなんでしょうね。
かつて萩尾望都の漫画で、人間がすべて”パンチカード”で管理されている未来の話があったことを思い出します。”パンチカード”はさすがに私も見たことはありません。
フローベール『ボヴァリー夫人』
森博嗣『τになるまで待って』
楡周平『Cの福音』
楡周平『Cの福音』を読みました。北海道への行きで読み切りました。
ハードボイルド小説。
麻薬っておそろしいですな、ほんと。
二階堂黎人『魔術王事件』
スタンダール『パルムの僧院(下)』
スタンダール『パルムの僧院(下)』を読みました。
『赤と黒』もそうでしたが、最後に一気に破滅に向かって突き進みます。ハッピーエンドかと思ったのですが、最後の最後でひっくり返ります。
スタンダール『パルムの僧院(上)』
スタンダール『パルムの僧院(上)』を読みました。
スタンダールは年の離れた恋愛をよく描きますね。
『赤と黒』とは異なり、主人公のファブリスは思うがままやりたい放題な感じです。出世の可能性があったのですが、激情のまま恋敵を殺してしまいます。
藤原伊織『シリウスの道』
京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』
京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』を読みました。
京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』
あまり前評判はよくなかったのですが、なかなかよい本だと思います。
読み始めてすぐに、事件の犯人と殺害方法がわかりますので、ミステリーとしてはいまいちかもしれません(なにせあの関口巽にもわかっちゃうんですから!)。そこが評価の低いところなのでしょうか。
特に深く考えないで理解したつもりになっている生と死の境界。これがいかにあやうく、ゆらぎやすいものであるか。この小説を読むと考えさせられます。
また、これは京極作品を読んでいつも思うのですが、記述の慎重さは特筆するべきです。ノベルス版P.716に儒教の「家を父から引き継ぎ、時代へ嗣ぐこと」に対する京極堂の発言があります。京極堂は、性差別や階級差別の問題に配慮しながらも、そうした仕組みが特定の場所や特定の時代に機能していたことはどれだけ弊害があったとしても一概には否定できないとし、話を続けていきます。『絡新婦の理』等で宗教と女性の問題を取り上げている京極堂でありますが、単純な評価はしない。こうした京極堂の慎重さは高く評価されるべきでありましょう。
さて、今年に入り京極作品は『姑獲鳥の夏』から『陰摩羅鬼の瑕』までのシリーズを読み終えました。どれも素晴らしく甲乙つけがたいのですが、強いて1つあげろと言われれば『狂骨の夢』です。『姑獲鳥の夏』も捨てがたいのですが。
スタンダール『赤と黒(下)』
スタンダール『赤と黒(下)』を読みました。
マチルドのころころ移り変わる想いや、嫉妬心を利用した駆け引き等、主人公ジュリアンを巡る恋愛ドラマが非常に面白い。
また、解説にあるとおり社会小説の側面もあります。フランス7月革命前、つまり王政復古期の階層社会において、いろいろな策略をこらして上へ上へと出世をねらう人々の様子が描き出されています。
これまたオススメの小説であります。