NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班編『ワーキングプア解決への道』を読みました。
『ワーキングプア日本を蝕む病』の続編。
韓国、米国、英国、そして日本におけるワーキングプア問題の現状と、解決に向けた取り組みを描いています。
韓国もやばいですね。
大卒で正社員として就職できる人は半数以下(48%)ですよ!!(p.26-27より)
英国の取り組みが興味深いのでご紹介。
「コネクションズ」という若者支援の仕組み。待つだけではなく、相談員が町中で若者に声をかけ、就職の斡旋を行っています。関連する機関が連携しており、職業訓練にうまく民間企業を巻き込んでいる。訓練中も賃金が支払われるのです。日本は職業訓練校が訓練するので、賃金が支払われず、訓練を続けられなくなることが多いのです。
「シュアスタート」というのも上手くできている。産まれてくる子供と親のサポートが行われています。「チャイルドトラストファンド」という口座が国から贈られるのですが、子供が18歳になるまで引き出せません。親の使い込みを防ぐおもしろい仕組みです。
本書の中で、内橋克人氏が言っていますが、日本では、社会保障については会社が大きな役割を負ってきました。しかし、いわゆるグローバル化が進む中、会社を中心とする共同体が崩れます。社会に会社に代わるような社会保障を支える仕組みはなく、個人は個人として、社会に放り出されることになってしまったのです。
解決策を考えるに参考になる本。オススメ。
今年96冊目。