合田正人『サルトル『むかつき』ニートという冒険』を読みました。

久々の悪書です。この本は読まない方がいいです。
帯によると「高校生が読んでわかりやすい」というのを売りにしたシリーズのようです。しかし、非常にわかりにくい。これを悪文と言わずしてなんといいましょうか。
文章が講義口調になっています。この本の通りに本当に講義したら、高校生という、筆者にとってのそれこそ他者はどのような反応をするでしょうか。
あと、著者は自分のことを”先生”(本文中の表記だと「センセー」)と呼んでいます。「センセーはそんなサルトルが好きだ」(p.53)・・・自分のことをよくもまあ先生などと言えるものです。あきれてしまいます。小学生相手だったらわからないでもないが。
今年一番の悪書でした。お金返してほしい。
今年113冊目。
ユニセフのスーダン・ダルフール情報
すっかりブログでの紹介を怠っていましたが、日本ユニセフ協会では継続的にスーダン・ダルフールの情報を提供しています。
(リンク張ってはいけないみたいなので、情報は日本ユニセフ協会のHPをご覧ください)
アン・ベネマン ユニセフ事務局長が9月に声明を出していますが、推定で40万人が命を落としたこの紛争は世界最悪と言っていいのではないでしょうか。
スーダン・ダルフール緊急募金の募集がされています。私はさっき募金してきました。
カキ
今日のお昼はカキフライ。
この時期は毎日三食カキでいいね。
気が早いのですが
澤地久枝『密約 外務省機密漏洩事件』
澤地久枝『密約 外務省機密漏洩事件』を読みました。

沖縄返還に際し、米国が払うべき基地処理費用の400万ドルを、日本政府がひそかに肩代わりをして支払うという密約がありました。
この密約と、その報道を巡る事件についてのノンフィクションです。
男女関係(特に女性について)、言論・報道の自由、マスコミの役割や、国会、有権者、沖縄、日米関係といったいろいろな問題が絡み合って起こった事件でありました。著者の言うとおり「戦後史をほとんど集約している」(p.267)と言っても言い過ぎではありません。
一つ残念なのは、この事件が沖縄からどのように見えていたのかがわからないというところ。沖縄のマスコミにはどのように取り上げられていたのでしょうか。事件の渦中で澤地さんも沖縄に行っているみたいなのですが、沖縄でどんなことがあったのかはあまり取り上げられていません。
それにしても、これは読むべき本。
今年112冊目。
松下博宣/内田隆平『実践!オープンソースCRMアプリケーション入門』
京極夏彦『邪魅の雫』
山本ひろし『心理捜査』
明田川融「沖縄と「平和」憲法についての断章」
明田川融「沖縄と「平和」憲法についての断章」を読みました。
『年報 日本現代史 第11号 歴史としての日本国憲法』(2006)現代史料出版所収の論文です。
「日本国憲法の「日本」に沖縄は入っているか。」
という挑発的な一文から始まり、
・マッカーサーの「沖縄要塞化構想」があった上で憲法の平和主義規定が創設されたこと
・日本を反共の防波堤とするため、沖縄を基地として米国に自発的に提供したこと(「天皇メッセージ」)
・吉田麾下の外務省及び有識者らの非武装構想において、沖縄が構想から外されていたこと
・政治指導者らは、沖縄に関する日本の主権・施政権を主張しながらも、基地権を分離し、沖縄において米国の軍事的必要を満たしてきたということ
と、主に対日占領期における沖縄の状況が明らかにされています。
沖縄を考える際に非常に参考になる論文ですので、拙いながらもここで紹介させていただきました。





