池上彰『池上彰の世界の見方 東南アジア~ASEANの国々~』

池上彰『池上彰の世界の見方 東南アジア~ASEANの国々~』を読みました。

オンライン英会話でフィリピンの方とお話をするので、フィリピンについて知るために読んだ本。
池上さんって本当にうまく説明しますよね。中身もそうですが、説明の仕方も参考になります。東南アジアの過去から現在まで知るに最適。ちゃんといろいろな側面にも触れている。オススメ。

今年27冊目。
※図書館で借りた本

水野俊平『台湾の若者を知りたい』

水野俊平『台湾の若者を知りたい』を読みました。

これは名著!

台湾の小学生、中学生、高校生、大学生の生活をリアルに理解できます。
日本との違いがあって興味深い。例えばですが、外食文化の国ですから、小学生も朝ご飯を外で買って教室で食べます。大学生には(卒業後でもいいのですが)徴兵制度がある一方で、就職活動がありません(新規学卒一括採用がないから)。あ、大学の講義中に食事をするのはOKのようです。

最後に台湾人の本音としてアンケートの結果が載っています。日本人に対してどう思うのかも。
台湾には飲酒習慣があまりないので、日本の若者に違和感を持っていたり。
旅行して感じましたが、台湾人は確かにフレンドリーです。他方で日本人はそうではありません。そういうところにも違和感を感じているようでした。

・・・などなど。年配の人が読んでも台湾人の生活について大いに学びになると思います。
オススメ!

今年43冊目。
※図書館で借りた本。

伊藤潔『台湾―四百年の歴史と展望』

伊藤潔『台湾―四百年の歴史と展望』を読みました。

大航海時代から李登輝政権まで。
いやー、台湾のことって知りませんでした。国民党・・・ぐらいか、知っていたのは。
ダイナミックな歴史を新書でコンパクトに学ぶことができます。李登輝までなので、その後はまた別の本で。

今年40冊目。
※図書館で借りた本。

A.アインシュタイン+S.フロイト『ひとはなぜ戦争をするのか』

A.アインシュタイン+S.フロイト『ひとはなぜ戦争をするのか』を読みました。
 

 
アインシュタインとフロイトとの手紙のやり取りを書籍化したもの。
 
アインシュタインとフロイト双方が言っていますが、戦争を起こさずまとめるには暴力が必要です。しかし、もともと国際社会には統一的な暴力はありません。冷戦期は米ソそれぞれ、冷戦後は”世界の警察”としての米国がそういう役割を担っていたところがあるのでしょうが、トランプ大統領下で孤立主義を高めていって、”America first”の掛け声のもと、そういう役割から降りていくとすると、暴力の力は弱まっていくでしょう。また、移民とそうじゃない人との分断なども進んでいるとされます。「暴力」と「同一化ないし帰属意識」が社会を一つにまとめているとフロイトは言っていますが、いずも失われつつあるのが今現在かと。悲観的にみると、戦争の可能性は広がっていくのでしょう。
 
この状況下で、フロイトが最後に言う戦争への嫌悪感をどのように醸成していくのか。フロイトは「文化の発展」という言い方をしています。どういう文化であるべきなのかは明示されません。
 
思うに、まず第一に、我々は”他者と共存せざるをえないということを意識する”必要があると思います。例えば、戦火の地域から人は逃れるべきでしょう。その場合、逃れた人はどこかに行かなければならないわけで、そうするといま住んでいる人たちとの共存が必要になります。もっとミクロに考えても、一人では生きられず、色々な人と共存せざるを得ないのが人間でしょう。他者を抹殺していけばいいと考える人もいるかもしれませんが、突き詰めれば自分以外の全員に死んでもらうしかありません。果たしてそれで満足できるのでしょうか。
その上で、さらに”他者への想像力を持つ”ことが必要だと思います。他者というのは自分とはまったくもって違う存在なのですが、ひょっとすると自分がそうだったかもしれない存在であり、自分が今後そうなりうる存在です。むろん他者は他者なので、すべてを理解することは絶対できないのですが、想像力を持てば、共存できるくらいには理解できるはずです。
自分と他者とが、それぞれに対して想像力を持つ。他者と共存することを必然と考え、他者への想像力を持ちながら、より良い共存に向けて知恵を絞っていくことにしか平和はないのではないかと考えます。
 
今年3冊目。

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堤未果『(株)貧困大国アメリカ』

堤未果『(株)貧困大国アメリカ』を読みました。
 

 
シリーズ3冊目。これまたショッキングな米国の現状がレポートされています。
多国籍企業がここまで政治経済を牛耳ってきているとはショックでした。
どのように抵抗するのか。
読者もフリーではいられないでしょう。1%の利益を推進するような多国籍企業の社員でありながらも、経営者でなく社員である以上、1%の側ではなく99%の側であることがありうるでしょう。そういう立場からいかに世界を変えていくことができるのか。生活を守りながらも、より良い世界を目指す行動はできるはず。・・・違うな、悪化を止める手立てを取れるはずだと思います。署名やパブリックコメントなど、活動していくことにしよう。
 
今年5冊目。

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坂本義和『人間と国家―ある政治学徒の回想(上)(下)』

 坂本義和『人間と国家―ある政治学徒の回想(上)(下)』を読みました。
 
 
 
 
 
 著名な国際政治学者である坂本義和さんの回想録です。
 
 学生の頃に『相対化の時代』をはじめとする著書を読み、ゼミで議論し、学んだものです。
 
 回想録の中には、師匠である高畠道敏さん、ゼミの先生だった李鍾元さん、熱い授業を行ってくださった藤原帰一さんら、私にとっては懐かしい名前がたくさん出てきます。国際的にも色々な研究者たちとの交流が描かれていて、幅広い活動に改めて驚かされるとともに、色々な場面で鋭い議論を繰り広げていた坂本義和さんの業績を振り返ることができます。「理想主義者」というレッテルがいかに誤ったものであったかがわかるでしょう(藤原帰一さんもどこかで同じようなことを言っていたと思います)。
 
 坂本さんは東大紛争で大学の側に居た人でした。その立場から、当時のことを振り返っています。内ゲバを繰り返していた学生運動に対して批判を行っています。当時の全共闘らに弁護の余地は無いのではないでしょうか。
 
 オススメ。「私の本棚(厳選)」入り確定。
 
 今年36,37冊目。

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水本達也『インドネシア―多民族国家という宿命』

 水本達也『インドネシア―多民族国家という宿命』を読みました。
 
 
 
 やはりその国を訪れる前には歴史(特に現代史)を知っておかないと。
 本でも述べられていますが、スハルト時代を清算し、不正腐敗をなくすことが重要です。私が滞在していた時にも「じゃかるたー新聞」で、センチュリー銀行救済におけるユドヨノ政権の公金流用疑惑が取り上げられていました。不正や横領をやめないとインドネシアの先も暗いでしょう。
 
 今年103冊目。

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