三崎亜記『となり町戦争』

三崎亜記『となり町戦争』を(だいぶ前に)読みました。
 
となり町戦争
 
長生きはしてみるものです。
生きている間にこんなにひどい本に出会うとは思いもよりませんでした。
 
テロとその報復戦争が繰り返される世界において、この小説の戦争の認識はピントぼけしすぎだと思います。特に大笑いなのが最後です。政略結婚って、あなた、今の世は戦国時代ですか!!
 
私が読んだ中では2005年ワースト1位です。
何千と本を読んできましたが、ひょっとするとその中でもワースト1位かもしれません。
 
ほんとにひどかった。

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那須正幹『ズッコケ中年三人組』

那須正幹『ズッコケ中年三人組』を読みました。
 
ズッコケ中年三人組
 
ハチベエ、ハカセ、モーちゃんからなるズッコケ三人組のシリーズ。
小学校時代に図書館に行っては借りていました。
毎週日曜日に親父と車で図書館に行き、彼は推理小説を、私はズッコケシリーズを借りては家で読みふけっていたものであります。
 
そんなズッコケ三人組ももう40歳ですか・・・
私も年を取るはずです。
 
期待を裏切らないおもしろさ。ズッコケ世代ならば、これは読まねばならないでしょう。

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三島由紀夫『春の雪 豊饒の海(一)』

三島由紀夫『春の雪 豊饒の海(一)』を読みました。
 
春の雪改版
 
三島を読んだのは10年ぶりぐらいです。
文章が本当に美しい。今年は『豊饒の海』シリーズで締めですな。
 
なお、(二)にあたる『奔馬』が品薄です。
本屋さんを巡って2店目で最後の一冊を入手できました。
 
映画化されたこともあって、人気のようです。
映画化といえば、映画は見てないのですが、竹内結子さんはミスキャストだと思います。なんとなく。

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我孫子武丸『殺戮にいたる病』

我孫子武丸『殺戮にいたる病』を読みました。
 
殺戮にいたる病
 
ヤラレタ。
完璧にしてやられました。
 
★★★以下、ちょっとネタばれ★★★
 
途中で、ゴミ箱にビニール袋が捨てられている記述があります。確か2箇所。
その2箇所で、ゴミ箱の位置が違うのです。
作者の間違いかなあと思って、深く考えなかったんですが、それは作者からのヒントにほかならなかったわけです。
惜しかったなー。
ミステリーで単純な間違いがあるわけがありません。それは巧妙に仕組まれたトリックなのです。
 
やられた。深い反省。

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