岩田規久男『日本経済を学ぶ』

岩田規久男『日本経済を学ぶ』を読みました。
 
日本経済を学ぶ
 
これまた大変いい本。
小泉首相の政策に対する評価は興味深いです。小泉首相がいわゆる”構造改革”を口で言うほどに進めなかったことにより、日本は大不況を免れることができたとしています(p.230~)。
 
企業統治や規制改革、環境問題など、様々な論点が取り上げられているのも本書の特徴です。
ただ、その分、経済の仕組みについての記述が少なくなっているという点は否めません。日銀の買いオペ等は金融の仕組みがわかっていないと理解できません。従って、私としてはまず、岩田さんの『日本経済にいま何が起きているのか』を読むことをオススメします。これで金融の仕組みについて理解した後に、本書に取り組むとわかりやすいでしょう。発行年月日からすると本書の方が先なのですが。
 
今年33冊目。

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NPO法人 日本金融証券知識・情報普及協会監修推薦『株式投資・基礎テキストコース』

通信教育であるNPO法人 日本金融証券知識・情報普及協会監修推薦『株式投資・基礎テキストコース』を完了しました。
 
(楽天証券特別企画)株式投資・基礎テキストコース
 
3冊セットのテキストと、2回の添削がセットになったコースです。
テキストがわかりやすく、非常にオススメできる通信教育です。
 
通信教育のいいところはテストがあるところ。
テストがあると、知識の定着度合いを客観的に計測できるので、非常によいです。
 
強いて意見するならば、もう少し内容の幅を広げてもいいのではないかという点。
JASDAQのマーケットメイクの仕組みとかの説明があってもよかったのではないかと思います。今後に期待しましょう。
 
他にもいろいろなコースがあるので、やってみてもいいかな。
 
今年29、30、31冊目。

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国際収支表

野口旭『経済対立は誰が起こすのか』を再読完了。
 
メモを取り、再読をし、だいたいわかったのですが、一点わからないところが残りました。それは、国際収支表の解説をしている部分(P.83-88)です。
 
国際収支表の「収支」には「受取」=黒字と「支払」=赤字が含まれている。それはいいとして、
 
「たとえば、「輸出」とは、財やサービスを外国に提供して何らかの金融資産、たとえば外貨を入手するという取引である」(P.85)
 
とあります。これはその通りですので、わかります。しかしその次でわからなくなります。
 
「このとき国際収支表には、経常取引における「受取」の側と、資本取引における「支払」の側に、かならず同額だけ記帳される」(P.85-6)
 
ななな、なんで「外貨を入手」(P.85)しているのに資本取引においては「支払」の側に記帳されるのだろう・・・。
 
と、悩んでしまうのです。
 
本著を読んでもわかりません。あまり詳しく説明されていませんので。
困っていたら、岩田規久男『国際金融入門』にヒントがありました。
 
岩田規久男『国際金融入門』P.30-31の注に書いてありますが、国際収支表を通常の複式簿記と同じように考えるとわからなくなってしまいます。
国際収支表では以下のように考えるそうな。
 

[商品を輸出]
日本から米国に車を輸出している場合で考えると、輸出しているわけだから、経常収支は「受取」=黒字で記載される。
 
[お金を得る]
車の代金をドル預金への入金の形で得ることになる。
この場合、日本から見ると対外資産が増加したことになる。これは資金(または資本)の日本から米国への流出と考えることが出来るので、資本取引は「支払」=赤字として記載される。
資本取引は「支払」=赤字であっても、資産としては増加しているわけだし、それは、米国の居住者である米国銀行に対する資金の貸し付けになっている。
 
※注

 
これを一国のマクロ的に見ると、
 
経常収支黒字(あるいは赤字)=資本収支赤字(あるいは黒字)
 
になるということらしい。
 
対外資産の増加を、資金(または資本)の日本から米国への流出と考えるというのが理解のポイントのようです。
 
 
※注
ここで”なるほどなるほど。要は輸出で稼いだお金を海外投資に回している訳ねー”と考えるのは間違いです。
 
先ほどの例には説明の都合上、現実と合っていない部分がありました。車を輸出した会社はドル預金をそのまま保有するわけではありません。円に換えて、労働者への賃金支払いなどに使うことでしょう。輸出で稼いだお金がそのまま海外投資に回るわけではないのです。
実際に海外投資を行っているのは、いわゆる投資家です。なんで海外投資を行っているかというと、その方が有利に運用できるからです。従いまして、
 
輸出で稼いだ外貨を海外投資に回している
 
というのは正しくないのです。正しくは、
 
盛んに海外投資を行っている結果として経常収支黒字になる
 
のです。
詳しくは野口旭『経済対立は誰が起こすのか』を参照。

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岩田規久男『国際金融入門』

岩田規久男『国際金融入門』を読みました。
 
国際金融入門
 
この本で疑問だった点が1つ解消されました(それについては別途)。
しかし、「日本の国際競争力」(P.147)という言葉で説明しているところなど、野口さんの本を読んだ後では、首をかしげてしまうような箇所があります。言わんとしているのは「日本(企業)の国際競争力」ということなのでしょうけど。
 
あまりオススメは出来ない本。
野口さんの本を読んだ後なら、誤解せずに読めるので、悪くはないと思います。
 
今年28冊目。

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CiscoセミナーとCatalystの機種名

Ciscoのセミナーに行ってきました。
 
それにしてもCisco Catalystの機種名はわかりにくい。L2スイッチでいくと、よく使われるものでは、
 
Catalyst 2950
Catalyst 2960
Catalyst 2970
 
という3機種あるのですが、
 
旧機種:2950/2970
新機種:2960
 
となります。数の大きい方が新しいというわけではないのです。わかりにくいな。
なおかつ、2970の使用は推奨されない(既に新機種が出たから)ので、2970は以下の機種に変更するべきだそうな。
 
Catalyst 3560(L2のみ)
Catalyst 2960
 
2970はもう古いので、2960にしろって、一見デグレードに見えますな。うーん、わかりにくい。

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小宮隆太郎『貿易黒字・赤字の経済学』

小宮隆太郎『貿易黒字・赤字の経済学』を読みました。
 
貿易黒字・赤字の経済学
 
が・・・難しい!!
第四章がわかりません!!
 
うーん、野口旭さんの本を読み直して、理解を深めることにしよう。
ま、この本には出会わなかったということで・・・(敵前逃亡)。
 
私は政治学専攻だったのですが、経済学は原論レベルの講義を受けたことがあります。その講義は素晴らしいもので、未だに記憶に残っています。いろいろ本を読んでも、ミクロ経済学の需給の曲線とか、生産者余剰や消費者余剰とかもよくわかります。講義で教わりましたから。
しかし、マクロ経済学や国際経済学までは教わらなかった。そのツケが今に回ってきています。大学時代にもっと経済学の講義を取っておけば良かった。耳学問って大事なんですよね。
 
今年27冊目。

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ゲルト・ギーゲレンツァー『数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活』

ゲルト・ギーゲレンツァー『数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活』を読みました。
 
数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活
 
今の読書テーマ「経済」とは種類が違いますが、興味がある本だったので読んでみました。
 
まず、私は統計学を知りません。
しかし、本書に出てくる自然頻度、自然頻度のツリー、ベイズの法則については特に他の情報を参考にすることなく理解できます。豊富な事例と、わかりやすい解説が素晴らしい。
 
サブタイトルが「病院や裁判で統計にだまされないために」です。
我々はかなりだまされている可能性があります。「経済」の前の読書テーマは「資産運用」でした。資産運用を行う際には、投資する会社のデータを読み解く必要があります。以下を読んで、どう考えますでしょうか。
 
「この期間(引用者注:1月~9月)の前半には50%、売り上げが減少しましたが、その代わりに後半には60%増加しました」
(p.260-1より)
 
会社の成績は悪くないように感じられます。
しかし、実際には、
 
・1月から5月までに100万ドル→50万ドルへ売り上げ減少(50%減少)
・5月から9月までに50万ドル→80万ドルへ売り上げ増加(60%増加)
 
となっており、1月から9月で考えると100万ドル→80万ドルへ20万ドルも売り上げは減少しているのです。
 
何かのデータを見せられて、そのまま鵜呑みにしてしまうのではなく、「フランクリンの法則」(”死と税金のほかには、確実なものは何もない”)の下、本書に紹介されている自然頻度、自然頻度のツリー、ベイズの法則を使って、ダマされないよう、情報を読み解いていきたいものであります。
 
さて、今の読書テーマ「経済」はまだまだ終わらないのですが、この本読んだので、次のテーマは「統計」にしようかと考え中。「統計」は私にはハードルがかなり高いので、入門書を数冊読んで、とりあえず学問の入り口には立てるようにしようかなあと。
 
今年26冊目。

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