橘玲『マネーロンダリング』

 橘玲『マネーロンダリング』を読みました。
 
 
 
 マネーロンダリングを巡るハードボイルド小説です。解説でも述べられていますが、小説中の金融に関する話はかなり真に迫ったものであり、非常に面白いです。
 オススメします。
 
 今年7冊目。
 ※図書館で借りた本。

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永井荷風『墨東綺譚』

 永井荷風『墨東綺譚』を読みました。
 
 
 
 東京は墨東の玉の井の風俗を今に伝える小説です。
 玉の井というと、先日散歩した向島です。玉の井駅はいま東向島駅と名前が変わっているんです。
 
 小説は、まー、なんと都合の良いというか自己チューな男だなあと、今読めば思ってしまうんですが。
 
 今年85冊目。
 ※図書館で借りた本。

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吉行淳之介『原色の街・驟雨』

 吉行淳之介『原色の街・驟雨』を読みました。
 
 
 
 向島を散歩したときに「鳩の街通り商店街」という通りに行きました。ガイドによると、吉行淳之介「原色の街」の舞台だったとか。それで本書の存在を知った次第です。吉行淳之介を読むのは恥ずかしながら初めてであります。
 
 娼婦の街を描いた表題作。「原色の街」はよいのですが、芥川賞をとった「驟雨」は??という作品。しかしながら長部日出男氏の解説を読むと、なるほど、と思います。そもそも1954年に書かれたという点を忘れるべきではないのでしょう。肉体から精神に迫っていこうとする、当時としてはおそらく実験的な取り組みであったはずです。
 
 今年79冊目。

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石田衣良『骨音 池袋ウエストゲートパーク3』

 石田衣良『骨音 池袋ウエストゲートパーク3』を読みました。
 
 
 
 シリーズ三冊目。相変わらずのスピード感であります。
 今ちょうどドラッグが話題になっていますので、最後の「西口ミッドサマー狂乱(レイブ)」は興味深く読みました。ドラッグやっているエディ曰く。
 
 「世界が変わらないなら、自分のほうを変えるしかないじゃん」(p.215)
 
 いや、そんなことはないハズだ。
 
 今年78冊目。
 ※図書館で借りた本。

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田山花袋『東京の三十年』

 田山花袋『東京の三十年』を読みました。
 
 
 
 田山花袋による東京の記録です。
 田山花袋の自伝であり、明治の文壇史であり、東京の風俗史です。日清戦争のナショナリスティックな捉え方、明治天皇の死の捉え方等は当時の様子を伝えるものであります。批判的になれてないのは田山花袋の限界を示すものだと思います。
 
 今年65冊目。
 ※図書館で借りた本。

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リチャード・ライト『ブラック・ボーイ―ある幼少期の記録』

 リチャード・ライト『ブラック・ボーイ―ある幼少期の記録』を読みました。
 
 
 
 
 
 リチャード・ライトの自伝的小説。黒人の子供が南部から北部に脱出するまでの物語です。人種差別の実態があるとともに、家庭内での大人との対立から子供が大人になるところを描いています。「生きる」とは何か教えてくれる本。
 
 オススメ。私の本棚(厳選)行き。
 
 今年56,7冊目。
 ※図書館で借りた本。

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