湯浅誠『どんとこい、貧困!』

 湯浅誠『どんとこい、貧困!』を読みました。
 
 
 
 「イスとりゲーム」のたとえはわかりやすい。どんなに努力したところで、イス自体の数が少なければ、イスに座れない人が出現してしまいます。これが今の日本社会の姿なのです。変わる、否、変えるべきはこの社会のあり方です。
 ルビ付で、誰にでも読めるように作られています。オススメ。
 
 今年82冊目。

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雨宮処凛『プレカリアート―デジタル日雇い世代の不安な生き方』

 雨宮処凛『プレカリアート―デジタル日雇い世代の不安な生き方』を読みました。
 
 
 
 雨宮処凛の論述だけではなく、プレカリアートとされる人々へのインタビュー・さまざまな立場の人が集まって繰り広げるディスカッション・石原慎太郎との対話などなど、新書なのに盛りだくさんで、非常に参考になる本です。
 私は就職氷河期の世代なので、努力してもどうにもならないという感覚は少しわかります。親にも頼れないような人々と比べたらはるかに恵まれていた方ですけれども。
 
 やはりここは非正規社員を生む仕組みを止めて、利益や社内留保の吐き出し(まずここからだろう)、時間外労働削減・時短勤務・給与削減等で調整を行うような仕組みにしないと(戻さないと)いけないんじゃないかと思います。カゼで一日休んだらクビになりうる雇用のあり方は、どう考えてもおかしいですから。
 
 今年81冊目。

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出村彰『カステリョ (Century Books―人と思想)』

 出村彰『カステリョ (Century Books―人と思想)』を読みました。
 
 
 
 ブックオフをうろついていましたら、清水書院の「人と思想」シリーズ(緑色のアレ)の本があって、「カステリョ」と書いてありました。誰だこいつは(失礼)と思って、手にとって、そのまま購入したという本であります。
 
 出会いは突然でしたが、よい本でした。
 宗教改革期にカルヴァンらと論争し、異端を迫害してはいけないと、今で言う「信教の自由」につながる主張を行ったカステリョの思想が平易な語り口で説かれていきます。無論、時代の制約もあり、無神論者は処罰すべきとしていましたし、ヨーリス事件では遺骸が火刑に処せられるのを見届けるしかありませんでした。そのような姿も描かれています。
 
 宗教改革についてあまり説明がないので、本書を読む前には世界史の教科書で宗教改革の概要を復習しておくことを強くオススメしておきます。
 
 今年80冊目。

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目黒のさんま祭りと「Stitch by Stitch」展

 目黒のさんま祭りに行ってきました。今日は私にしては早起きして9時台に家を出ました。
 早く出てきたつもりが、すでに大混雑でした!!
 
 【さんまを焼く】 いやー、煙かった。
 20090906_目黒のさんま
 (GR DIGITAL II
 
 さんま待ちの列を追っていくと、東京都庭園美術館を発見しました。さんまゲットはあきらめて、そちらに行くことにしました。
 
 【東京都庭園美術館】
 20090906_東京都庭園美術館1
 (Nikon D60
 
 「Stitch by Stitch」展が開催されていました。“ステッチ”に着目した美術展であります。針と糸を媒体とした作品・インスタレーションが展示されています。清川あさみさんは面白いですね。
 
 周りは庭園です。
 
 【木漏れ日】
 20090906_東京都庭園美術館2
 (Nikon D60
 
 このあと、蔵前・浅草橋に行ったのですが、それはまた別の話。

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神楽坂を歩く

 2009/8/30に神楽坂に行ってきました。曇りで雨も降る散々な天気でありました。
 雨降りで、さすがに一眼レフは持っていけません。カメラはGR DIGITAL IIにしました。
 
 飯田橋を降りて神楽坂に向かいます。途中で折れ曲がって「かくれんぼ横丁」を歩きました。黒塀が印象的です。確かにかくれんぼできちゃいそうです。
 
 【かくれんぼ】
 20090830_神楽坂1
 
 神楽坂にはいろいろな横丁があります。「兵庫横丁」もそのひとつ。なかなか風情ある通りでした。・・・と思っていると、前から大量の“カメラ女子”がやってくるではありませんか!ちょいとびびりました。10人くらいで、みんな一眼レフカメラを持って、パチパチと写真を撮っています。よく見ると、みんなNikonのカメラです。Nikonのイベントか何かだったのでしょうか。楽しそうでした。
 
 【横丁風景】
 20090830_神楽坂2
 
 スイーツは「マンヂウカフェ」でいただきました。古い民家をそのままお店にしています。お店のおにーさんが少し愛想悪いです。それにへこたれてはいけません。かなり狭いお店でした。その名の通り饅頭が揃っています。ベーシックな饅頭をセレクト。アイスコーヒーとセットにしましたが、なかなかイケました。饅頭にあうブレンドにしているんだとか。あー、あとお手拭は欲しかったかなあ。最近では風邪やウィルスが怖いですからねえ。
 
 【マンヂウカフェ】
 20090830_神楽坂3
 
 あとは東京下町散歩本のコースに沿って、地蔵坂・袖摺坂・朝日坂を行きました。雨がザーザー降ってきまして、大変でありました。

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秋刀魚の季節

 秋刀魚の季節になりました。
 安かったので、3尾買って一人で食べきりました。食べすぎだー。我が家に魚焼きグリルはありませんので、フライパンで焼きます。表面が秋刀魚自身の油で揚がったようになるのですが、それはそれでまたおいしいのです。
 
 20090905_さんま
 (GR DIGITAL II
 
 焼く前に振った塩のみで味付け。
 大根すったり、スダチ絞ったり、しょうゆかけたりするのはナンセンス!そのままがおいしいのです。
 (すいません。めんどくさいだけです)

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麻布十番を歩く

 本日は麻布十番を歩くことにしました。またまた仕事の対応がありましたので、午後からの散歩であります。
 
 カメラはNikon D60です。レンズはいつものTAMRON AF18-270mm F/3.5-6.3 DiIIVC LD Aspherical [IF] ニコン用 AFモーター内蔵 MACRO B003NIIであります。RAWで撮影し、Photoshopで現像しました。補正のことはまだよくわからないのですが、適当に補正をかけてみました。
 
 大江戸線の麻布十番駅をスタート。麻布十番駅の周りにはいろいろなスイーツが並んでいます。たい焼きとか人形焼とか。あまり興味無いジャンルのスイーツでしたので、スルーしてしまいました。好きな人は麻布十番駅の周りをうろうろとしてみるのもいいかもしれません。
 
 しばらくすると麻布山善福寺に到着しました。なかなかの規模のお寺ですが、人がほとんど居ません・・・。非常に静かに過ごすことができました。
 
 【寺の前のうらめしや】 どうしても柳にはうらめしいイメージがあります。
 20090905_麻布十番1
 
 麻布山善福寺の周りにもいくつかお寺があります。うろちょろして、その後は仙台坂を登って、有栖川宮記念公園を目指します。途中で韓国大使館がありました。韓国大使館の前にキムチ屋があります。昔ここでキムチを買ったなあ。30年来の旧友Tるた氏に連れられて来た記憶があります。キムチ買っても良かったんですが、先が長く、臭くなっちゃうのも微妙だったので、買うのはあきらめました。
 
 【麻布運動場を覗く】
 20090905_麻布十番2
 
 【ライト】
 20090905_麻布十番3
 
 有栖川宮記念公園に到着。リッチそうな(偏見)外国人とその子どもらが多く居ました。
 
 【ミドリ】
 20090905_麻布十番5
 
 虫の音が心地よかったです。
 
 【ぱっぱかぱーん】
 20090905_麻布十番4
 
 【鳥さんたち】
 20090905_麻布十番6
 
 20090905_麻布十番7
 
 広尾駅に到着。駅そばのスターバックスでしばし休憩。
 スターバックス出てから少し歩いてみると、お寺があります。聖心女子大わきに東江寺、天真寺というお寺が並んでいるのです。大学見学も面白いのですが、さすがに女子大には入りづらい。あきらめました。
 この寺々がまた静かでよいのです。ほとんど人が居ません。まったりと過ごすことができました。
 
 【門から覗くワンちゃん】
 20090905_麻布十番8
 
 明日はどうしようかな。やっぱり目黒かなあ。混むだろうなあ・・・。

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吉行淳之介『原色の街・驟雨』

 吉行淳之介『原色の街・驟雨』を読みました。
 
 
 
 向島を散歩したときに「鳩の街通り商店街」という通りに行きました。ガイドによると、吉行淳之介「原色の街」の舞台だったとか。それで本書の存在を知った次第です。吉行淳之介を読むのは恥ずかしながら初めてであります。
 
 娼婦の街を描いた表題作。「原色の街」はよいのですが、芥川賞をとった「驟雨」は??という作品。しかしながら長部日出男氏の解説を読むと、なるほど、と思います。そもそも1954年に書かれたという点を忘れるべきではないのでしょう。肉体から精神に迫っていこうとする、当時としてはおそらく実験的な取り組みであったはずです。
 
 今年79冊目。

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石田衣良『骨音 池袋ウエストゲートパーク3』

 石田衣良『骨音 池袋ウエストゲートパーク3』を読みました。
 
 
 
 シリーズ三冊目。相変わらずのスピード感であります。
 今ちょうどドラッグが話題になっていますので、最後の「西口ミッドサマー狂乱(レイブ)」は興味深く読みました。ドラッグやっているエディ曰く。
 
 「世界が変わらないなら、自分のほうを変えるしかないじゃん」(p.215)
 
 いや、そんなことはないハズだ。
 
 今年78冊目。
 ※図書館で借りた本。

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