T・K生/「世界」編集部編『韓国からの通信-1972.11~1974.6-』を読みました。
維新体制下の韓国における市民の抵抗をレポートしたもの。
今では、取材を元に池明観教授が書いたということが明らかになっています(こちらを参照)。
朴正熙による戒厳令や金大中事件等が出てきますので、韓国現代史を学ぶ入り口としても最適。先日亡くなったソルジェニーツィンの影響が韓国でも非常に大きかったということもこの本で改めて確認できました。
今でこそ好きにものを言えますが、それは過去の数々の運動あってのことです。自由、その価値を改めて考えてみるべきでしょう。
続編も随時手に入れて読んでいくことにしよう。
今年53冊目。
堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ 』
堤未果『ルポ 貧困大国アメリカ 』を読みました。
結構売れている本ですよね。
戦争含めてあらゆるところに民営化を進める米国の実態がレポートされています。
普通に生活していても、病気にかかると多額の医療費で貧困に追い落とされるという社会は間違っています。医療や教育は国が支えるべきです。
(2008/8/1追記)
NHKスペシャルで「激流中国病人大行列 ~13億人の医療~」というドキュメンタリーが放送されました(2008/6/15放送)。興味深いことに、米国と中国の医療の現場は似ています。どちらも患者は高額の医療費に押しつぶされてます。いずれの社会も間違っていると思います。
今年44冊目。
ジョゼット・シーラン+菊川怜『NHK 未来への提言 ジョゼット・シーラン カップ1杯の給食が子どもを救う 』
ジョゼット・シーラン+菊川怜『NHK 未来への提言 ジョゼット・シーラン カップ1杯の給食が子どもを救う 』を読みました。
NHK未来への提言というドキュメンタリーがありまして、同名のドキュメンタリーに感銘を受けたため、本も読んでみようと思った次第。ドキュメンタリーについてはこちらで紹介しています。
菊川怜のダダーブ難民キャンプレポートや、WFP日本事務所代表の玉村美保子の解説が付いています。いずれもドキュメンタリーの補足として参考になりました。
世界の食糧問題を考えるはじめの一歩としてオススメできる一冊。本棚行きだな。
WFPマンスリープログラムもここで紹介しておきます。
毎月定額が引き落とされ、募金できるプログラムです。当方は今月から参加。
今年43冊目。
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村井吉敬『エビと日本人Ⅱ』
村井吉敬『エビと日本人Ⅱ』を読みました。
村井吉敬『エビと日本人』(1988年)の新版。内容が違いますので、『エビと日本人』も読む必要があります。
“エビ”を通して見えてくる世界と日本とのつながり。
2004年のスマトラ島沖地震の津波被害は記憶に新しいところでありますが、エビの養殖を進めるためにマングローブ林を伐採し、それがために津波の被害が広がりました。あの被害は我々の食とつながっていたのです。
どのような食のあり方が正しいのか、難しい問題ではありますが、消費者それぞれが日々問い続け、少しでも改善への道を探っていくべきだと思います。
ところで、最近のエビの主流は「ブラックタイガーエビ」ではなく「バナメイエビ」だそうな。
百貨店の地下を覗いてみましたが、まだ主流は「ブラックタイガーエビ」のようです。「バナメイエビ」は数が少なかったですね。加工食品では多く用いられているのかもしれません。今度から注意してみてみよう。
今年1冊目。
ジャン・ジグレール『世界の半分が飢えるのはなぜ?』
ジャン・ジグレール『世界の半分が飢えるのはなぜ?』を読みました。
父と子の会話形式で、世界の飢えの問題が取り上げられています。
自然災害、政治腐敗、穀物類の市場価格操作、戦争といった飢えの原因。国家や国際企業による、人びとを服従させるための道具としての飢え。援助の問題点や未だに残る植民地政策(モノカルチャー)。様々な点から飢えについての議論が行われています。
こういう本をテキストにして、中学や高校で教育が行われるべきですね(行われているかもしれませんが)。
名著。オススメ文献集入り決定。
今年116冊目。
梅林宏道『米軍再編』
久江雅彦『米軍再編』
辺見庸『もの食う人びと』
興梠一郎『中国激流』
興梠一郎『中国激流』を読みました。
この本は面白いです。超オススメです。
「政治化された経済」(p.127)である中国の現在の姿を様々な視点から伝えています。
恥ずかしい話、この本を読むまで知らなかったのですが、中国では現在、「物権法」という私有財産を認める法律の検討を行っています。また、役人の不正も多く、市民運動も起きています。このような状況下で、果たして共産党の一党独裁は継続できるのでしょうか。他方では、「新保守派」という、市場経済化が腐敗の原因であると考え、なんとあの文革に新たな可能性を見いだす人たちも出てきています。
中国の行く末は混沌としています。今後も目を離せません。
そのことを再認識させてくれた本です。