佐高信『面々授受 久野収先生と私』

佐高信『面々授受 久野収先生と私』を読みました。
 

 
日本の「市民運動の理論的指導者」(高畠通敏)である久野収の言葉が多数紹介されています。悪く言う人が多いのですが、久野収は信頼に足る思想家だと思います。
 
しかし、返す返すも後悔するのは『久野収集』を買いそびれたこと。
出版された当時、大学生だったので、お金もなく、全集の初版は誤植が多いということもあり、再版時に買えばいいやと思って買いませんでした。
・・・それからちっとも再版されません(涙)。品切れ状態のようです。刷ってください岩波書店さん。
 
この本の勢いで、『久野収集』を岩波現代文庫で再版してくれればいいのに。
 
今年124冊目。

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合田正人『サルトル『むかつき』ニートという冒険』

合田正人『サルトル『むかつき』ニートという冒険』を読みました。
 
サルトル『むかつき』ニートという冒険
 
久々の悪書です。この本は読まない方がいいです。
 
帯によると「高校生が読んでわかりやすい」というのを売りにしたシリーズのようです。しかし、非常にわかりにくい。これを悪文と言わずしてなんといいましょうか。
文章が講義口調になっています。この本の通りに本当に講義したら、高校生という、筆者にとってのそれこそ他者はどのような反応をするでしょうか。
 
あと、著者は自分のことを”先生”(本文中の表記だと「センセー」)と呼んでいます。「センセーはそんなサルトルが好きだ」(p.53)・・・自分のことをよくもまあ先生などと言えるものです。あきれてしまいます。小学生相手だったらわからないでもないが。
 
今年一番の悪書でした。お金返してほしい。
 
今年113冊目。

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魚津郁夫『プラグマティズムの思想』

魚津郁夫『プラグマティズムの思想』を読みました。
 
プラグマティズムの思想
 
米国で生まれたプラグマティズムについて、代表的な思想家を取り上げて議論した本。
論述が整理されているので、じっくり読めば理解可能です。
プラグマティズムについてはサボっていて全くノータッチだったので、非常に参考になりました。オススメ本。
 
今年60冊目。

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森達也『悪役レスラーは笑う』

森達也『悪役レスラーは笑う』を読みました。
 
悪役レスラーは笑う
 
非常に面白い。
ドキュメンタリー作家が書いているだけあって、ドキュメンタリー番組を見る感じで読むことができる本です。
 
自分がどこに所属するのかというナショナリティの問題は、それほど単純ではありません。再認識させてくれる一冊。
 
今年36冊目。

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レッシング『賢人ナータン』

レッシング『賢人ナータン』を読みました。
 
賢人ナータン
 
面白い。オススメ。
イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の融和を説く「三個の指輪」の話は一読すべき。
 
(以下、若干ネタバレあり)
 
ところで、解説や本のカバーに、本書では「三宗教融合帰一」の途が示されていると書いてあります。
しかし、「三個の指輪」は「三個の指輪」のままであり続けるので、”融合帰一”とするのは誤りで、”融和”なのではないかと思います。
ラストを見ても、登場人物たちは家族になりますが、宗教的に一つになっているわけではないと考えられます。
 
今年35冊目。

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鶴見俊輔『高野長英』

鶴見俊輔『高野長英』を読みました。
 
高野長英
 
長英の生誕地である水沢の歴史や小笠原諸島を巡る話、そして長英没後の記述などに、大衆思想を精力的に取り扱ってきた鶴見俊輔の本領が発揮されていると思います。
 
名著ですな。
強いて難を挙げるとすると、歴史上の出来事についての解説が少ないことです。シーボルト事件や蛮社の獄については、他の本を参照する必要があると思います。
 
今年3冊目。

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