上間陽子『海をあげる』を読みました。
本書を読んでしばらくしてから、東京新聞で沖縄の泡消火剤が特集されているのを読みました。沖縄では基地の危険がすぐそこにあります。
最も印象に残ったのは以下の一節。
私に言われているようでした。
「沖縄の怒りに癒され、自分の生活圏を見返すことなく言葉を発すること自体が、日本と沖縄の関係を表していると私は彼に言うべきだった。」(p.234-5)
今年23冊目。
※図書館で借りた本
日常を楽しんで。他者に寛容でいて。
上間陽子『海をあげる』を読みました。
本書を読んでしばらくしてから、東京新聞で沖縄の泡消火剤が特集されているのを読みました。沖縄では基地の危険がすぐそこにあります。
最も印象に残ったのは以下の一節。
私に言われているようでした。
「沖縄の怒りに癒され、自分の生活圏を見返すことなく言葉を発すること自体が、日本と沖縄の関係を表していると私は彼に言うべきだった。」(p.234-5)
今年23冊目。
※図書館で借りた本
公益財団法人新聞通信調査会『沖縄復帰50年 (定点観測者としての通信社)』を読みました。
有楽町で開催されていた同名の展示会のカタログです。貴重な写真集となっています。おすすめ。
今年21冊目。
山本章子『日米地位協定-在日米軍と「同盟」の70年』を読みました。
日米地位協定をめぐる政治の歴史がまとめられています。
思ったのが、世論って政策決定に影響を与えているなあということです。声を上げる、投票に行く、っていうのは非常に大事な政治行動だというのを改めて認識しました。
在日米軍の特権が記されている“密約”たる「合意議事録」の撤廃を求めよう、という具体的な提案もなされていてそのとおりだと思います。
今年15冊目。
※図書館で借りた本
沖縄文献集を以下に記載します。
ドキュメンタリー含む。
私の不勉強が明らかになりますな・・・。
2006/09/24作成。
2008/12/31更新。
2010/12/31更新(Ver.2.0)。
⇒目取真俊(1999)『魂込め』追加。
2009/2/10付け東京新聞夕刊に、「減らぬ沖縄米兵事件」という記事が載っていたので紹介です。
米軍構成員による事件は耐えることなく、強盗、強姦などの凶悪犯は過去10年間で最悪を記録したそうです。ヒラリー・クリントン国務長官が日本を訪問しそうです。そこでこの問題の改善を訴えなければウソです。日本政府、与党、野党の対応を厳しくチェックしておきましょう。
沖縄文献集を以下に記載します。
ドキュメンタリー含む。
私の不勉強が明らかになりますな・・・。
2006/09/24作成。
2008/12/31更新。
目取真俊『虹の鳥』を読みました。
暴力暴力暴力。
暴力描写に溢れる小説。
明田川融『沖縄基地問題の歴史 非武の島、戦の島』に取り上げられていて、本書の存在を知りました。
本書が引用され、論じられているので、詳しくはそちらをどうぞ。
ここでは、本のある箇所を引用して紹介しておきたいと思います。
(明田川前掲書にも引用されています)
それ以外は何も言いますまい。
「アメリカーに小学生が強姦された」(p.189)という、米兵による少女暴行事件が起こり、沖縄で大規模な集会が開かれます。
テレビで実況中継されています。
八万五千人集まる中で、「真面目そうで清潔な感じを与える」(p.190)少女が壇上に立ち、人々に訴えかけます。それを見ていた比嘉が言います。
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「吊してやればいいんだよ。米兵の子どもをさらって、裸にして、五十八号線のヤシの木に針金で吊してやればいい」
ふいに比嘉が口を開いた。
「本気で米軍を叩き出そうと思うんならな」
松田が大声で笑い出した。体をよじり、止めようにも止められないというように笑い続ける松田を、小柄な少女がきょとんとした表情で見ている。
そうなのだ。カツヤは胸の中でつぶやいた。比嘉の言う通りだった。それ以外に方法などなかった。八万五千の人々に訴えている少女の姿は美しかった。だが、必要なのはもっと醜いものだと思った。少女を暴行した三名の米兵たちの醜さに釣り合うような。
(p.190-191)
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今年103冊目。
明田川融『沖縄基地問題の歴史 非武の島、戦の島』を読みました。
以前紹介した明田川融さんの本。
「通史ではない」と書いてあります。沖縄基地で“問題”となっている点に着目して、外交文書から沖縄の人々の発言・行動までを、広範に取り上げて議論している歴史研究書です。
とはいえ、通史をよく知らない私のような素人には少しわかりにくい。研究書なので仕方ないんですが、後ろに年表を付けていただけるとありがたかったです。著者もそうですが、編集者は少し考えてほしかったところ。
とはいえ、沖縄を考えるに必読書であることには間違いありません。
文章の記述自体は平易で誰にでも読めますので、強くオススメします。
本書の最後の方で、目取真俊『虹の鳥』が引用されています。読んで衝撃を受けましたが、その件については改めて。
今年102冊目。
謝花直美『証言 沖縄「集団自決」』を読みました。
沖縄タイムズの記事を再編成した本。
手榴弾を使った「集団自決」、日本軍による日本人虐殺の姿などは本著に譲るとして、指摘すべきは思想。悲劇の根幹にあるのは、やはり思想の問題です。
「敵に捕まるよりは自分たちで自決することが、天皇に対する忠誠であると信じ込まされてきた」(p.63)
かつて小田実が戦災下の大阪を振り返って言ったのですが、死は犬死です。死んだらそれまでなのです。後からそれを殉死だなんだと色を付けますが、それは死んでない人、死ぬ立場に無い人、誰かを死なせようとする人の言うことです。死んだらオシマイなのです。
死んだらオシマイ。
死は悲惨であります。
この思想をこそ、あらためて確立する必要があります。
死を美化する思想はびこる世の中なので。
今年90冊目。
西山太吉『沖縄密約 「情報犯罪」と日米同盟』を読みました。
かの西山氏が記した本。
西山氏が原告となって裁判起こしてましたが、最近棄却され、ニュースになりましたね。
そもそもなんで佐藤栄作が沖縄返還に取り組んだのか。福田はなんで協力したのか。権力欲から説き起こしています。元新聞記者らしい筆致であります。外交面において、日本がどれだけ米国にやり込められてきたのか、未だにやりこめられ続けているのか、米国のロジックともどもよくわかります。
日本政府はまだ認めていませんが、沖縄返還では秘密外交が行われ、密約があったというのは周知の事実であります。外交における歯止めを考えるべきだと思います。本書で明らかなとおり、極秘裏に行われる交渉というのにろくなものはありません。暴走を防ぐ仕組みが必要です。議事録など、交渉期間中は非公開でも、将来○○年後に必ず公開され、歴史の審判を受けるということをルール化し、外交交渉者への足枷としておくべきです。米国は一定期間経てば情報公開している。日本は圧倒的に遅れています。
あと、本書ではp.37に触れられており、私自身もかつて米国の沖縄関連外交文書を読んで知りましたが、意外に住民運動は効果的です。外交担当者にインパクトを与えます。基地は現地住民との協力関係なしには成り立たないからでしょうか。このことは覚えておくべきでしょうね。
今年63冊目。
(2008/10/5追記)
東京新聞2008/10/4付け朝刊26面にて、1971年の沖縄返還協定に伴う財政負担を巡る日米の密約文書について、外務省が「該当する文書は保有していない」として非開示を決定したという報道がありました。米国立公文書館では見つかっているので、明らかにウソをついています。首相(麻生太郎)、外務大臣(中曽根弘文氏)の責任含めて追求すべきです。