はたまた、東京都写真美術館に行ってきました。

まずは「液晶絵画」展。映像使った作品やインスタレーションが展示されていました。
森村泰昌作品の実物観たのは初めてでした。
ブライアン・イーノも、アンビレント音楽は聴いたことあったのですが、映像作品は初めてでした。映像やってたんですね。知らなかった。
カタログ『液晶絵画 STILL/MOTION』も読みました。その中では、加須屋明子「映像と時間 ミロスワフ・バウカとドミニク・レイマンの映像表現を中心に」が参考になりました。
ミロスワフ・バウカの「BlueGasEyes」という作品があります。地面にスクリーンがあって、上からガスコンロを映す作品。だからどうしたという感じですが、青い目はアーリア人の特徴とされており、”ガス”の青い炎で表現されている。スクリーンには塩が敷き詰められており、汗のあと、涙のあとを想像させる。ユダヤ人虐殺が作品に重ね合わされているのでした。本エッセイによりわかった次第です。
続いては「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ 第二部「わが祖国」1918-1961」。
第一部はイマイチでしたが、第二部はなかなかよかった。キャパら有名な写真家の作品が数多くあったからかもしれません。歴史的なイベント毎ではなく、ドキュメンタリー写真とか、テーマ毎に展示されていました。雑誌記事からの写真も多くありました。
いずれもオススメであります。
帰りに恵比寿の「味噌丸」という味噌ラーメン専門店に寄る。

味噌チャーシューメンを注文。まあまあ。少したかいかな(千円)。モヤシ食べ放題です。
その後、喫茶店に寄って、WILLCOM03で本記事を書いて、帰宅。
いい休日。
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
うっかり
mixiを見ていたら、日刊ゲンダイ2008年9月17日掲載の「こんな汚い連中に首相の資格など全くなし」というニュースが流れていました。
内容は自民党総裁選が、衆院議員選挙の事前運動に当たり、公職選挙法に抵触するというもの。
確かにそうですね。
この視点は無かったなあ。反省反省。
公平性に欠けますので、自民党総裁候補はすぐに活動を休止するべきです。
活動休止しない人は支持しないようにしましょう。
高千穂遙/一本木蛮『じてんしゃ日記 2008』
高千穂遙/一本木蛮『じてんしゃ日記 2008』を読みました。
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こちらの続編ですな。
一本木夫妻も何台か自転車を買い足している模様。
私もロードとかほしーなー。
そう考えると今のワンルームは狭いな。引越し考えますかね・・・。
今年64冊目。
消費税増税について
今後、消費税増税が論点となります。
高齢化に伴い、社会保障費が増大する。
・・・なるほどなるほど、その通りでしょうな。納得です。
↓
社会保険料では賄いきれないし、財政の弾力性を維持するためにも、つまりは後の世代が借金返済にひーひー言わないためにも、国債に頼らず、税収増で社会保障費の増大に対応する必要がある。
・・・なるほどなるほど、その通りでしょうな。これまた納得です。税金増えるのOKですよ。Welcome!!
↓
その財源は消費税であり、消費税の増税が必要である。消費税はホニャララ%にする必要がある。
・・・ちょっと待ったー!!
と、ここでひっかかるのです。
なぜならば、消費税の性質に逆進性があるからなのです。低所得に人からたくさんの税金を取りうる仕組みなのです。
橘木俊詔『格差社会 何が問題なのか』がわかりやすく説明しています(p.190)。貯蓄と消費の比率を考えればよくて、高所得者はかなりの金額を貯蓄に回せますが、低所得者は貯蓄に回す余裕が無いので、所得のかなりの部分を消費に回さざるを得ないでしょう。低所得者のほうが、税金払う割合が増えてしまうのです。
税はおしなべて累進性を持たせるべきなのです。持てるものの責任でありましょう。
所得税の増税が考慮されるべきです。私なんか、所得税増えるのWelcomeですけどねえ。それでやる気を失うなんてことはないですな。福祉に使われるのであれば、税金払う人冥利に尽きるというものです。
所得税は節税できてしまうので、消費税で確実に税金を取るべきという議論も有り得ます。それには一理ある。しかし、消費税の逆進性を止める施策が必要です。これまた橘木俊詔 前掲書に提案されていますが、「食料品や教育、医療など生活に欠かせない分野への支出は非課税にし、それ以外の一般財だけに税金を掛けます。しかも贅沢な商品には一五%よりも高い税率を掛けます。」といった具合です(p.200。ちなみに15%は橘木氏が妥当だとする消費税率)。
おそらく今後は消費税増税議論が活発になってくるのでしょうが、評価のポイントは消費税の逆進性に配慮しているかどうか。ここのところをきちんと考えていない消費税増税論には全てNOを突き付けるべきです。
西山太吉『沖縄密約 「情報犯罪」と日米同盟』
西山太吉『沖縄密約 「情報犯罪」と日米同盟』を読みました。
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かの西山氏が記した本。
西山氏が原告となって裁判起こしてましたが、最近棄却され、ニュースになりましたね。
そもそもなんで佐藤栄作が沖縄返還に取り組んだのか。福田はなんで協力したのか。権力欲から説き起こしています。元新聞記者らしい筆致であります。外交面において、日本がどれだけ米国にやり込められてきたのか、未だにやりこめられ続けているのか、米国のロジックともどもよくわかります。
日本政府はまだ認めていませんが、沖縄返還では秘密外交が行われ、密約があったというのは周知の事実であります。外交における歯止めを考えるべきだと思います。本書で明らかなとおり、極秘裏に行われる交渉というのにろくなものはありません。暴走を防ぐ仕組みが必要です。議事録など、交渉期間中は非公開でも、将来○○年後に必ず公開され、歴史の審判を受けるということをルール化し、外交交渉者への足枷としておくべきです。米国は一定期間経てば情報公開している。日本は圧倒的に遅れています。
あと、本書ではp.37に触れられており、私自身もかつて米国の沖縄関連外交文書を読んで知りましたが、意外に住民運動は効果的です。外交担当者にインパクトを与えます。基地は現地住民との協力関係なしには成り立たないからでしょうか。このことは覚えておくべきでしょうね。
今年63冊目。
(2008/10/5追記)
東京新聞2008/10/4付け朝刊26面にて、1971年の沖縄返還協定に伴う財政負担を巡る日米の密約文書について、外務省が「該当する文書は保有していない」として非開示を決定したという報道がありました。米国立公文書館では見つかっているので、明らかにウソをついています。首相(麻生太郎)、外務大臣(中曽根弘文氏)の責任含めて追求すべきです。
ジョン・エヴァレット・ミレイ展@Bunkamura ザ・ミュージアム
四大嗜好品にみる嗜みの文化史@たばこと塩の博物館
たばこと塩の博物館で開催されている「四大嗜好品にみる嗜みの文化史」に行ってきました。

Bunkamuraに行くために渋谷に出かけたのですが、途中ですっかり迷ってしまいました(アホ)。
途中に「たばこと塩の博物館」を見つけ、なかなか面白そうだなあと思って入ってみた次第。
入館料は100円です。これで常設展も見れます。安い!!
四大嗜好品=茶、酒、コーヒー、たばこの文化史を説明する展示が行われています。
4階の1フロアなので、そんなに大きい展示ではないのですが、解説豊富で楽しめます。
抹茶は茶葉を揉まずに乾燥させて石臼で挽いて粉にしたものなんですね。知らなかったな。
カタログも販売されており、ゲットしました。今度ちゃんと読もう。
10月半ばまでです。
3階~2階は塩とたばことに関する展示。
3階は塩のフロア。
塩がどのようにしてつくられるのか、展示とビデオで解説されています。塩分の濃い海水であるかん水作って、煮沸して塩を取るというのが基本。
人手で砂を運んだりしていた入浜式塩田(江戸時代はじめ~)⇒流下盤や枝条架でかん水作成を自動化した流下式塩田(昭和20年代後半~)⇒塩田を使わないため天候に左右されにくいイオン交換膜法(昭和47年~)への変遷がよくわかります。
2階はたばこ。
昔懐かしいたばこ屋さんを復活させています。自販機も懐かしかったですな。
1階は世界各地のKIOSKを特集していました。各国の違いがわかって、これまたよかった。
オススメスポットでございます。ぜひ。
ワーキングプアについて少し考える
ワーキングプアを巡って、例えば非正規雇用をどうしていくのか等、いろいろと議論のあるところだと思いますが、問題意識をどこに持つのかは考えておくべきでしょう。
非正規雇用が増えていると。
じゃ、どうするかなんですが、ざっくりまとめると、以下の2つの方向性があると思います。
その1.非正規雇用の待遇を正規雇用並みにする。
その2.非正規雇用を正規雇用化する。
「その1.非正規雇用の待遇を正規雇用並みにする」というのは、前に新聞で竹中平蔵さんが主張していました。新聞は捨ててしまったので、残念ながら引用できません。確か、働き方も多様化しているので、常時働きたい人ばかりではないだろう。非正規雇用の労働条件、待遇を正規雇用並みにしなければならない、という議論でした。
私は少し違和感を覚えました。ライフスタイルとして常時働かない選択肢を選ぶ人も多いでしょう。しかし、問題の在りかはそこなのでしょうか。正社員として働きたいけど働けず、不本意ながらも契約社員とかに留まっているような人の存在をこそ、問題としなければならないのではないでしょうか。
そう考えると、「その2.非正規雇用を正規雇用化する」手だてを考えなければなりますまい。有期契約がもたらす不安定な状況を無くしていくと。企業にはコスト増になるわけで、景気後退のさなか、困難な舵取を迫られるでしょう。不況下、一時期議論された”ワーキングシェア”もあらためて検討されるべきでしょう。そうなると、労働者側も賃金減少をどこまで引き受けるのか、検討が必要です(その分、余暇が増えましょうが)。企業経営する人、働く人、どちらもが協力しあって、解決するべき問題であります。
実のところ、その1でも2でも、どちらから出発したところで具体的な処方箋に変わりはないのかもしれません。
しかし、どちらを向くのかは意識しておかないと、議論が変な方向に行ってしまうのではないかなあと思います。
“ライフスタイルの違いとして問題をとらえない。”
この視点は維持していきたいと思います。


